日本チェーンドラッグストア協会によると、ドラッグストアが日本にできたのは約30年前だ。15年ほど前から薬や化粧品、日用家庭用品、文房具などを扱う大型店が出現。従来の薬局と違い、店内が明るく商品も豊富で、若い世代や主婦が利用するようになった。スーパーなど他業態から顧客を奪い、成長している。

 最近のドラッグストアは大きく二つに分かれる。食品を豊富にそろえ、安売りで日常の買い物客を囲い込み、採算のいい薬品や化粧品も販売して成長していくタイプ。もう一つは、調剤を含めたヘルス・ビューティーケアという専門性に力を入れた店舗展開をするものだ。

 全国のドラッグストア売上高の17年度の内訳を見ると、調剤・ヘルスケアで31.6%、化粧品やトイレタリー製品のビューティーケアで20.9%、家庭用品やペット用品などのホームケアで21.5%、食品その他で26%。特に食品その他が高い伸びを続けている。

 ある日の夕方。東京・銀座でコンビニと隣接するドラッグストアに足を運んだ。コンビニと同じ商品が並ぶが、チョコレートやクッキーが10円近くお得だったのをはじめ、カップラーメンは約50円、ペットボトルのコーヒーは約40円と、価格が安かった。しばらくすると、おにぎりや弁当に「30%引」の値下げシールが貼られ、サラリーマンや女性客が手を伸ばしていた。

 このほか、市場調査のTrue Dataが全国のドラッグストアでポイントなどの会員延べ5千万人の購入動向を調べたところ、冷凍麺や冷凍農産素材などの販売額が伸びていた。

 ドラッグストアの魅力にポイントもある。経済評論家の横川氏はこう言う。

「ドラッグストアの買い物で必ず聞かれるのはポイントカードの有無。楽天ポイントやdポイント、Tポイントなどをためられる店舗が増えているほか、ポイントがアプリでもためられるなど、スーパーやデパートの買い物よりもためやすい」

 ここで激しく首位を争う主要各社をみてみよう。16年度の売上高で首位はウエルシアホールディングス(HD)。流通大手イオンの傘下で、買収・合併(M&A)で規模を拡大してきた。店舗は郊外型が多く、調剤併設率が7割近い。

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