3月12日、財務省が決裁文書の書き換えを認め、大臣として会見などの対応に追われる麻生太郎財務大臣。ファッションデザイナーのドン小西氏がファッションチェックした。
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そもそも、政界きっての洒落者。総理時代から、こだわりのスーツが話題だったよね。こうして見ても、老いてなおオシャレ。スーツへのこだわりはすごいよ。
例えば上着は、政治家には珍しいサイドベンツ。一番下のボタン位置を低くしたりして、Vゾーンをより長く見せる工夫も忘れてない。ドレープができやすい生地を使ったエレガントな風合いがお好みで、ズボンの裾に重りを縫い込んで、下半身をスラリと見せてるなんて噂もあったよね。ほかにボルサリーノの帽子にトレンチコートとか、映画の主人公になりきったようなナルシストファッションがトレードマークだよ。
ま、昔は政治家というと、この人みたいにアクが強いオレ様タイプがいっぱいいたもんだ。でも今は、選挙が仕事のサービス業みたいな政治家が増えただろ。この手のキャラの濃い政治家は、横柄だの、偉そうだのって、ツッコまれやすい時代だよね。そうなるとほら、この人のエレガントなドレープスーツも、ただのヨレヨレに見えてくるから不思議だよ。そんな時代の潮目にも、しんみり。
(構成/福光恵)
※週刊朝日 2018年3月30日号