中日の松坂大輔も、1軍のマウンドに立つべく、一歩ずつ歩を進めている。4日のオープン戦では2回2失点で一発こそ浴びたが、試合に入る準備はできつつある。ただ、試合で投げる体は、練習ではなく試合の中でしか作ることはできない。ソフトバンクでの3年でほとんど登板機会がなかったとなれば、ここから使えていなかった部位が張っていく。

 直球のスピン量、スライダーの回転数はまだ足りない。指先に力を伝えることがうまくいっていない。右肩への不安を頭の中からどこで消し去ってリミッターを外すか。それが3月なのか、4月以降なのか。本人と首脳陣で見極める必要があろう。開幕まであと2、3試合の登板だろうが、できればオープン戦で5~6イニングの登板をクリアしたい。試合で投げて、不安を少しずつ消していく。この作業を繰り返すしかない。

 日本ハムの清宮幸太郎ら若い力、ポジションを渡すまいとする中堅、そして復活を目指すベテランの新天地での戦い……。今年はいろんな世代のぶつかり合いがさらにクローズアップされそうだ。

週刊朝日 2018年3月23日号

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東尾修

東尾修

東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝。

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