コミカルで妖艶な新生「ジューシィ・フルーツ」の味わい方

小倉エージの「知新音故」

知新音故

小倉エージ

2018/03/09 16:00

「酸いも甘いもかみ分けた味を楽しんで」と話すイリア
「酸いも甘いもかみ分けた味を楽しんで」と話すイリア
ジューシィ・フルーツのニュー・アルバム『BITTERSWEET』
ジューシィ・フルーツのニュー・アルバム『BITTERSWEET』

 デビュー・ヒットの「ジェニーはご機嫌ななめ」から38年。2013年に活動を再開した新生ジューシィ・フルーツのニュー・アルバム『BITTERSWEET』が愉快で楽しい。

【ニュー・アルバム『BITTERSWEET』のジャケットはこちら】

 看板のイリアのリード・ギターはもちろんのこと、甘くキュートな歌声は年輪を重ねて妖艶さを増した。テクノからハード・ロックまでこなすバンドのアンサンブルもパワフルで頼もしい。

 近田春夫のバック・バンドBEEFを前身に、リード・ギター、リード・ヴォーカル担当のイリアを看板にしたジューシィ・フルーツが結成されたのは1980年。テクノ風のアレンジ、イリアのファルセットをフィーチャーしたデビュー曲「ジェニーはご機嫌ななめ」は、オリコン最高位5位にランクされて一躍脚光を浴びた。「恋はベンチシート」などのヒットも生んだが、84年に解散。イリアはソロ活動を続けたが、結婚後、主婦業に専念していた。

 09年、TV番組への出演を契機に、オリジナル・メンバーのトシ(高木利夫、ドラムス)、ともに新メンバーのJEFF(山森正之、ベース)、アキシロ(ギター)を加え、ジューシィ・ハーフという名で活動を再開。13年から再びジューシィ・フルーツと名乗り、新たにTAKA(高梨絢也、ベース)を加え、現在の5人組になった。

 今回の『BITTERSWEET』のプロデュースはオリジナル・メンバーの柴矢俊彦が務めた。

 アルバムの幕開けを飾るのは、ジューシィの生みの親ともいえる近田春夫が書き下ろした「ラニーニャ 情熱のエルニーニョ」。

 ラニーニャ、エルニーニョといえば、近年の気候異変にも関わる海水温変動の用語だが、もとはといえば女の子、男の子の意味。サンバ的なノリのラヴ・ソングだ。“オスとメスにタブーなんて ないの!~激しければ それだけで いいの!”と、その歌詞は強烈!

 続く「ラグジュアリーなおじさん」では、小粋でフローラルミント、靴下をはかないロマンスグレーの“おじさん”を歌った。憧れとからかいが入り交じったキッチュなコミカル・ソング。Perfumeが歌いそうなアイドル歌謡風で、テクノ・アレンジによる。

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