草なぎ剛が語る「あの日の高倉健さん」 (2/4) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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草なぎ剛が語る「あの日の高倉健さん」

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石飛徳樹週刊朝日
草なぎ剛さん

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草なぎさんに俳優人生とは何かを教えてくれた高倉さん(c)朝日新聞社

草なぎさんに俳優人生とは何かを教えてくれた高倉さん(c)朝日新聞社

 めちゃくちゃ緊張しましたよ。朝食はしっかり食べましたけど、味がわからない(笑)。でもなんかね、すごい幸せな気分になったんですよね。

 僕が演じた田宮は、イカめしの実演販売をしながら全国のデパートやイベント会場を回っている男です。健さん演じる倉島と出会って、倉島をイカめしの販売に巻き込む。強引なんだけど、どこか憎めない、そんな男でした。

 健さんがこの役に僕を推してくれたらしいんです。役をやってほしい、ということで手紙をいただきました。そんなことがあるのかなって。なんか僕、最初、意味がわからなくって。

 スタッフの方々も、なんで草なぎなんだって思っただろうし。でも、うれしかったですねえ。なにかいろんな奇跡というか、そういうものが積み重なって、健さんとお仕事ができたんだなって思います。

 健さんは「草なぎ君の役は明るい役だから、あなたの好きにやればいい」と言ってくださいました。「明るければ明るいほど、あなたの役は映える。とにかく明るくやりなさい」と。

 健さんがそう言ってくださったおかげで、自由に演じることができました。200本以上の映画に出演されている方の一言って本当に大きいな、と思いました。たった一言で人の心を動かしちゃう。そういうところがすごい、と感じました。

 スクリーンに映っている健さんは、とにかく嘘がないって言うのでしょうか。どんな小さなシーンでも、たとえ顔が見えなくても、背中で真実を語っているといいますか、気持ちに偽りがないから、真実がにじみ出てくるんだなって思います。

 お芝居をする時の役作りの技術はいろいろ勉強しないといけないんだけど、一番の役作りは、常に素直に正直に生きていくっていうことなんだと、健さんが教えてくれました。撮影中もずっと「嘘偽りなく生きていくことが大事なんだよ、草なぎ君」って言われているような気がしていました。

 健さんの特徴は、ご自身の気持ちに沿った役を演じているというか、健さんなのか役なのかわからなくなってくるというか。そこだと思います。

 健さんは、普段、いたっておしゃべりなんですけどね。知識も豊富で、バイタリティーにあふれていて、めちゃくちゃ頭のいい方だから、ひとつ聞くと、いっぱい話をしてくれました。


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