国会がモリ・カケ・スパコン、リニア、詩織さん……さまざまな安倍政治私物化問題で盛り上がっている最中、ニュースのトップは相撲の話題がメインだった。さすがNHK、全国の子どもたちへの教育的配慮も忘れない。

 そう、あたしはキリキリしている。今国会、ものすごく盛り上がっているのに、なぜか巷の関心は低そうだ。

 森友学園なんて、クライマックスに差し掛かっているのですよ。連ドラの最終回ですよ。

 廃棄したといっていた記録が見つかったり、次々と新事実が出てきている。

 今国会はぎゅっと観なきゃね。黒いものも白にする安倍首相、みんなで見張っていないと。

 国会で自由党の山本太郎参議院議員がいっていたよ。証人喚問に出た森友学園の籠池前理事長は、その後、偽証罪になっていない。なんでよ? つーことは、籠池さんが話した昭恵さんの関与はほんとってこと? でも、安倍首相は「そんな事実はございません」としか答えない。つまり、どっちかが嘘をついてる。

 一方の当事者だけ引っ張り出し、片方の当事者は呼ぼうとしない。そして、籠池さんが偽証したかどうかを徹底検証するわけでもなく、まるで、徹底検証されないように籠池夫婦の身柄拘束までしてしまう。

 みんな、今国会に注目しようよ。森友クライマックス、少しでも巷の話題になれば、テレビも無視できなくなるはず。それにさ、ヘタレの野党が意外と頑張っている。注目を浴びれば、彼らのやる気は持続する。

週刊朝日  2018年2月23日号

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室井佑月

室井佑月

室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中

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