室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。自らの子育てを綴ったエッセー「息子ってヤツは」(毎日新聞出版)が発売中
室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。自らの子育てを綴ったエッセー「息子ってヤツは」(毎日新聞出版)が発売中
(c)小田原ドラゴン
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 作家の室井佑月氏は、国会で森友学園問題についての新事実が飛び出しているが、巷の関心は薄いことを指摘する。

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 おーい、安倍首相ったら、「エンゲル係数」の意味を知らなかったってよ!

 エンゲル係数って、義務教育の社会で絶対にテストに出されるやつな。全国の中学生もちゃんと知っているだろう。

 いやぁ、びっくりしちゃったな。国会で野党にエンゲル係数が上がったことを指摘され、安倍さんは、人々の食が景気が良くなって変わってきたみたいに答えたよ。

 アベじゃなければ、人でなし。アベの上にアベを作らず。ひょっとして、社会科の教科書が変わるかも!

 いいや、あれは全国の子どもたちに夢を与えるための、安倍さんの粋な計らいだったのよ。

 血筋や家柄はともかくとして、エンゲル係数くらい知っている。「僕でも、私たちでも、この国のトップを目指すことが出来るかも」みたいに考えろって。

 いやいや、真逆に考えてしまうかな? この国のトップになるためには、地道に勉強することや、おつむの良さは関係ない、そう思ったりして。

 まあ、子どもたちのことについて、こういった面をこれ以上、心配してもしょうがない。もっと心配しなくちゃいけないことあるし。

 それに、たぶん大丈夫。こういうことはテレビで流れないから。だから安倍さん、いくらでも嘘をつけるんだし。

 さらに安心したければ、NHKをつけときゃいい。

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室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中

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