新鮮な卵にご満悦の南さん
新鮮な卵にご満悦の南さん

『行ってはいけない外食』(知的生き方文庫)など多くの著書を通して、食の安全性を訴えるフードプロデューサーの南清貴さんは、東日本大震災直後に東京から岐阜に拠点を移し、農業に密着した生活を送るが、その南さんは嘆く。

「私たちが食べ物を工業製品にしてしまったところに間違いの源があるのです」

 南さんがもっとも避けているのは、外食や中食の「揚げ物総菜」だ。酸化した油を繰り返し使い、「サクサク感」を出すために高温で揚げるケースが散見されるという。オイルの多くは限界温度(臨界温度)を超えるとトランス脂肪酸を生成。この温度は脂肪酸の種類によって異なる。

「ごま油やグレープシードオイルなどが多く含んでいる、オメガ6脂肪酸は170度で分解が始まるため、このオイルでサクサクに揚げたものには有害物質(過酸化脂質)が発生する可能性が高い。一方、オリーブオイルなどに含まれるオメガ9脂肪酸の分解が始まる温度は240度と比較的高め」(南さん)

 南さんは自宅で天ぷらを作るときはオリーブオイルを使い、ピーナツオイルやココナツオイルも薦める。

 また、外食には甘みが強い料理が多すぎると指摘する。外出先ですきっ腹に糖分の多い食事をすると、血糖値が急上昇し、肥満や糖尿病、動脈硬化の心配も出てくる。

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