氷河期の生き残り? 野生動物界のアイドル「ナキウサギ」 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

氷河期の生き残り? 野生動物界のアイドル「ナキウサギ」

このエントリーをはてなブックマークに追加
週刊朝日
10月にはもう樹氷が立ち、大雪山の厳しい冬がやってくる(撮影/渡辺浩徳)

10月にはもう樹氷が立ち、大雪山の厳しい冬がやってくる(撮影/渡辺浩徳)

9月、冬に備えて食物を蓄える「貯食」をする。大きな葉っぱをせっせと運ぶ姿が愛らしい(撮影/渡辺浩徳)

9月、冬に備えて食物を蓄える「貯食」をする。大きな葉っぱをせっせと運ぶ姿が愛らしい(撮影/渡辺浩徳)

瞑想するように遠くを見つめる。「ピーピー」「キュイ」など、仲間同士で鳴き合う声が聞こえることも(9月)(撮影/渡辺浩徳)

瞑想するように遠くを見つめる。「ピーピー」「キュイ」など、仲間同士で鳴き合う声が聞こえることも(9月)(撮影/渡辺浩徳)

 体長15~20センチ、体重120~160グラム。ネズミのように見えるけど、実はウサギの仲間。小さく丸い耳を持ち、鳴き声でコミュニケーションをとる。知る人ぞ知る、北海道野生動物界のアイドルだ。

【写真】冬に備えて食物を蓄える「貯食」をするナキウサギはこちら

 日本では北海道でしか見ることのできないナキウサギ。氷河期、ユーラシア大陸と地続きになった道を渡ってやってきた。氷河が消えて海面が上昇すると冷涼な土地を求め、山岳地帯にすみ着いた。

 その存在が確認されたのは1928年のこと。置戸町で植林したカラマツの苗木が食害に遭ったことから罠をしかけると、ネズミのような小動物がかかっていた。捕獲され、新種として確認された。

 動物写真家の渡辺浩徳さんは、ナキウサギを撮るために5年ほど大雪山系に通い続けている。撮影ができるのは6月から12月。ナキウサギは冬眠をしないため、冬を越すための食料となる草木やシダなどを、せっせと巣に運び続ける。

「生態を把握すれば、姿を見つけるのはそれほど難しくありません。名前の通り、『キュイ』『ピーピー』などと鳴き声を上げるので、北海道の山に行かれたらぜひ耳を澄ませてみてください」(渡辺さん)

 縄張り意識が強いため、発情期と子育て期以外は、オスもメスも単独で行動する。今日も雪の下で、ナキウサギはひとり春を待ちつづけている。(構成/本誌・野村美絵)

週刊朝日 2018年2月9日号


トップにもどる 週刊朝日記事一覧

続きを読む

関連記事関連記事

このエントリーをはてなブックマークに追加
あわせて読みたい あわせて読みたい