平幕優勝した栃ノ心(c)朝日新聞社
平幕優勝した栃ノ心(c)朝日新聞社

 横綱2人が休場した大相撲を盛り上げたのは“角界のニコラス・ケイジ”、栃ノ心(30)。

 平幕力士として6年ぶりの優勝を果たした。「今場所は、負ける姿が浮かばないくらい強かった」と協会関係者は話した。 

 甘い顔に似合わず「ケンカをさせたら角界一」(相撲記者)と言われ、腕っぷしの強さは有名だった。

「稽古場では無敵。得意の“右四つ”に組みさえすれば横綱でも力負けすると言われてます。それと、あのドッシリとした下半身。地力はあるんです」(同)

 そんな力士が、これまであまり目立たなかったのは、2013年の名古屋場所で大怪我してしまったからだ。右膝の前十字靱帯と側副靱帯を断裂して4場所連続で休場。番付は西幕下55枚目まで落ちてしまった。

「そこで諦めず、よく相撲を続けたと思います。だからこそ、今がある」(スポーツ紙デスク)

 復帰後、栃ノ心は幕下で2場所連続、十両で2場所連続と計4場所連続優勝を飾り、再入幕を果たした。

「横綱審議委員会の守屋秀繁前委員長は整形外科医でしたが、栃ノ心の名前を挙げ、膝の故障からの復帰は驚異的で御手本だと言ったそうです」(同)

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愛娘の名前は映画の主人公と同じ