「映画をモノにしたのは黒澤明だけ」木村大作が明かす

週刊朝日
 黒澤明監督の死去から20年となった今年、全30作品を完全網羅した「黒澤明DVDコレクション」(小社刊)が創刊された。撮影のために民家を撤去させたなど数々の逸話を持つ黒澤監督。東宝に入社してすぐに撮影助手についた木村大作監督が、映画ライター・坂口さおりさんのインタビューで黒澤映画の現場を語った。

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 18歳の少年だったけど、1カット1カット鮮烈に覚えています。でも、現場へ行くのはワクワクしていたわけではない。怖いんだよ。黒澤さんから怒鳴り散らされて仕事をしていたから、恐怖心が80%くらい。それでも僕は黒澤組を希望した。黒澤組は映画を創っている気がするんだよ。

 黒澤さんの現場をずっと見ていたことが、今の自分にすごく影響を与えている。直接教えてもらうとか、「弟子にしてくれ」ということではない。あのすごい巨人を見ていた、ということが大切なんだ。「見続ける」ことで吸収されて自分の仕事につながる。映画に対する考え方、映画の作り方、撮影の仕方、美術的なこだわり……。黒澤さんは映画の神だから越えられないけど一歩でも近付きたい。それが僕の黒澤さんへの思い。黒澤さんに出会わなかったら今の自分はないね。

――そんな木村さんは監督3作目にして初めての時代劇となる「散り椿」(9月28日公開)を完成させた。

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