「最近は、現場で大事にされることも多くなりましたけど、俺ごときが偉なってもアカンな、と思うんです。俳優を続けられるモチベーションは結局、『どんだけ楽しいことできるか』、もっといえば『どんだけええ酒が飲めるか』なので。去年は、長塚圭史たちと一緒に、考えうる限り一番狭い劇場で、『王将』っていう舞台を上演して、そのときはチラシから何から全部自分たちで作った。でも、それだけ負荷をかけると、芝居の後の酒がうまいんです。お金は全然ないけど、酒はうまい(笑)」

 昔の仲間で集まると、かならず、「らもさんと出会ってなかったら、今頃どうなってたやろ」という話になるという。今46歳の自分が、20歳のぐれた青年に、「30までは何でもやってみろ」と言ってやることができるだろうか、と――。

(取材・文/菊地陽子)

週刊朝日 2018年1月26日号