マナーに関する意識調査の結果を発表する学生(撮影・中川透)
マナーに関する意識調査の結果を発表する学生(撮影・中川透)
グラフ1
グラフ1
グラフ2
グラフ2
グラフ3
グラフ3

 大学生の63%が食事中にスマホをいじり、58%が授業中に板書をスマホで撮影する。そんな実態が、東京広告協会のまとめた「大学生1000人にきいた『マナー』に関する意識調査」でわかった。今どきの大学生のマナー観を探ると……。

【グラフで見る】大学生の意識調査の結果は…

 調査は首都圏6つの大学(青山学院、駒沢、上智、専修、千葉商科、日本)の学生が企画し、約1千人にアンケートした。東京広告協会が調査を指導し、12月に報告書をまとめた。

 報告書によると、「食事中にスマホをいじる」のは回答者の63%。男女別にみると、男性68%、女性58%と男性が高かった。対照的に、「電車やバスで飲食する」は男性36%、女性46%(男女計41%)と女性が高かった。

 調査結果からは、こうした男女間の意識や価値観の違いが浮かび上がる。例えば、「成果主義は正しいと思う」「正直者はバカを見ると思う」は男性が女性より高い。「割引クーポンなどをデートで使うことに抵抗がない」は逆に、女性が男性より高かった=グラフ1。

 「ライブチケットなどの高額転売」について、「(行為として)アリ」と思う大学生は男性28%、女性16%。「フリマアプリでの現金販売」は、「アリ」が男性23%、女性10%だった。

 報告書をまとめた学生グループは「スマホのマナーはグレーゾーンが多く、世間からマナー違反だとみられることでも、大学生は“アリ”だと思うことがある」と分析する。

 例えば、大学生が思わずやってしまうことは、「LINEですぐ返信できない時、既読無視より未読無視を選ぶ」が73%(男女計、複数回答)と最も多く、「授業内容に関連する調べ物のため、授業中にスマホやパソコンをいじる」が66%と続いた。

 3番目に多いのは「授業を正しく記録するため、板書やスライドをスマホで撮影する」で58%だった。

 学生からは「板書の写真撮影に関するルールは学内で特にないが、指摘する教授もいる」「大量の数式の板書は暗黙の了解で撮影してよく、それを見て学ぶ。でも、写真を撮ろうとした瞬間に怒る先生もいる」などの声があがる。教員によって対応は異なるようだ。

次のページ
スマホでの板書撮影について、学生の意見と教員の意見は…