鈴木おさむ/放送作家。1972年生まれ。高校時代に放送作家を志し、19歳で放送作家デビュー。多数の人気バラエティーの構成を手掛けるほか、映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍
鈴木おさむ/放送作家。1972年生まれ。高校時代に放送作家を志し、19歳で放送作家デビュー。多数の人気バラエティーの構成を手掛けるほか、映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍
白石隆浩容疑者(c)朝日新聞社
白石隆浩容疑者(c)朝日新聞社

 放送作家・鈴木おさむ氏の『週刊朝日』連載、『1970年代生まれの団ジュニたちへ』。今回は「座間9人殺害事件」の報道について。

【写真】座間市の死体遺棄事件の白石隆浩容疑者

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 神奈川県座間市の死体遺棄事件やその後に起きた殺人のニュース報道などを見て、感じたことがある。

 それはテレビなどのメディアに、殺された被害者の名前や写真を出すことについてだ。

 あれは被害者の家族はどう思っているのだろうか?

 納得しているのだろうか?

 誘拐された人や、失踪した人の情報を出すのはわかる。テレビ、メディアでそうすることによって、手がかりが見つかることもある。だけど、殺された場合は違うと思う。

 ああいう報道を見て、「かわいそうにね」とか「こんな若いのにね」とか、場合によっては「こんな可愛い顔してるのに」と言うだろう。

 その事件の悲惨さを強めている部分はあるのだろうけど、あれを出すことに何の意味と正義があるのかと思ってしまう。

 バラエティー番組を作る上で、一般の人の個人情報の扱いについては、とても厳しくなっている。10年前ならば、街中の通行人を撮影して放送しても問題はなかった(はずだ)。だが、今は、街中の映像でもボカシをかけたり、個人と特定できないようにする。一般の方にインタビューをするときにも声をかけてから、出演許諾の紙を書いてもらったりする。バラエティーでは、もっとも作る上で気を付けているところかもしれない。

 それだけ、一般の方々の個人情報の取り扱いが厳しくなっているからこそ、殺人事件の報道などに違和感を感じるのだと思う。

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鈴木おさむ

鈴木おさむ

鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。

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