どうピンチを脱するのか小池都知事(c)朝日新聞社
どうピンチを脱するのか小池都知事(c)朝日新聞社

 “バブル”は崩壊したのか。小池百合子東京都知事の退潮が止まらない。

 11月12日の葛飾区議会議員選挙では、擁立した都民ファーストの会(以下、都ファ)の5人の候補のうち4人が落選。14日には都政で連立関係にあった都議会公明党が関係解消を表明し、小池氏の支持勢力は都議会の過半数を失った。揺らぐ足場を固めたい小池氏は同日、希望の党の共同代表を突如として辞任して「都政への専念」をアピールしたが、その都政もすでに“泥沼”の状況だ。

 最大の難題は、豊洲市場への移転問題。都は来年7月末までに追加の安全対策工事を完了させる予定だが、実施業者の入札がたびたび不調となり、全9件の工事のうち落札されたのは2件のみ。汚染された地下水の上昇を防ぐはずの「地下水管理システム」も、稼働から約1年が経っても目標水位を達成できず、バキュームカーで地下水を吸い上げている有り様だという。東京中央市場労働組合の中澤誠執行委員長はこう語る。

「バキュームカーはもう2台ほど壊れたらしく、業者の関係者も匙を投げていた。小池氏は自身が明らかにした新市場の問題点を何一つ解決しないまま、移転日だけを先に決めようとしている。『移転やむなし』という立場だった水産仲卸業者の中にも不信感が広がっています」

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