つまり、安倍首相がどんな人物であろうが、もう関係ない。どういう首相であっても、我々国民は粛々と受け入れなくてはいけない。安倍首相が卑怯で傲慢で嘘つきであったら、それがこの国の姿なわけで。
……ほんとうか?
天皇陛下は2019年3月末にも退位される、と報道されている。陛下は平和を愛する立派な方だ。国民からも慕われている。
この国が間違った方向に進んでいきそうな今、なにかが大きく変わってしまいそうな今、こういう時にこそ、本物のこの国の象徴である陛下から、この国がどういう国であるべきか、将来どういう国を目指すべきか、あたしたち国民へのわかりやすく力強いメッセージが欲しい。
もちろん、天皇陛下は政治的発言をしてはいけないことも知っているし、その発言を政治的に利用してもいけないことは知っている。
けれど、国民全員が、真剣にこの国について考えるには、もうそれ以外ないと思う。
安倍首相がいちばんやりたいことは改憲で、それが進めば、この国は戦争のできる普通の国になる。陛下が望まれた平和国家ではなくなる。それでほんとにいいんだろうか?
安倍内閣の支持率の高さは、この国が戦争のできる普通の国になることを、国民も望んでいるということなのか? わからない。
※週刊朝日 2017年11月24日号