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田原総一朗「トランプと習近平のウィンウィンで北朝鮮はどうなる」

連載「ギロン堂」

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田原総一朗(たわら・そういちろう)/1934年、滋賀県生まれ。60年、早稲田大学卒業後、岩波映画製作所に入社。64年、東京12チャンネル(現テレビ東京)に開局とともに入社。77年にフリーに。テレビ朝日系『朝まで生テレビ!』『サンデープロジェクト』でテレビジャーナリズムの新しい地平を拓く。98年、戦後の放送ジャーナリスト1人を選ぶ城戸又一賞を受賞。早稲田大学特命教授を歴任する(2017年3月まで)。 現在、「大隈塾」塾頭を務める。『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日系)、『激論!クロスファイア』(BS朝日)の司会をはじめ、テレビ・ラジオの出演多数

田原総一朗(たわら・そういちろう)/1934年、滋賀県生まれ。60年、早稲田大学卒業後、岩波映画製作所に入社。64年、東京12チャンネル(現テレビ東京)に開局とともに入社。77年にフリーに。テレビ朝日系『朝まで生テレビ!』『サンデープロジェクト』でテレビジャーナリズムの新しい地平を拓く。98年、戦後の放送ジャーナリスト1人を選ぶ城戸又一賞を受賞。早稲田大学特命教授を歴任する(2017年3月まで)。 現在、「大隈塾」塾頭を務める。『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日系)、『激論!クロスファイア』(BS朝日)の司会をはじめ、テレビ・ラジオの出演多数

トランプ大統領のアジア歴訪を田原氏はどう見た?(※写真はイメージ)

トランプ大統領のアジア歴訪を田原氏はどう見た?(※写真はイメージ)

 北朝鮮へ武力行使も辞さない姿勢のトランプ米大統領。しかし、中国との関係をみると矛盾点があるとジャーナリストの田原総一朗氏は指摘する。

*  *  *
 トランプ大統領ははじめてのアジア歴訪で、日本、韓国、そして中国との首脳会談を終えた。

 日米首脳会談を終えて、安倍晋三首相は、日米が「北朝鮮への圧力を最大限まで高めていくことで完全に一致した」と何度も繰り返した。

 だが、トランプ大統領は「北朝鮮に徹底的に圧力をかけ、その先には、武力行使もあり得る」と強調している。とすると、安倍首相が「完全に一致した」と言い切るのは、アメリカの武力行使も認めたことになる。そしてアメリカが北朝鮮に武力行使をすれば、北朝鮮は当然ながら韓国や日本に対して報復攻撃を行うだろう。日本がミサイル攻撃を受ける危険性は少なくない。それに対して、日本の自衛隊はどのように対応するのか。日本の国民が最も恐れているのは、こうした事態である。

 だが、安倍首相は、こうした事態への対応については全く話さず、なぜか日米首脳会談後に、こうした質問も全くなく、翌日の新聞各紙もこうした事態への疑念には触れていなかった。はっきりしたのは、日本がアメリカから戦闘機F35を42機、さらに陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」などの高価な兵器を購入すること。トランプ大統領のディールは成功した訳である。韓国も原子力潜水艦の購入の交渉を始めた。トランプ大統領は「北朝鮮への圧力を最大限まで高めていく」と強調し、日韓両国の首脳はいずれも同意した。だが、日本も韓国も「北朝鮮への圧力を高める」とは言っても、具体的に圧力を高める手段はほとんどない。強い姿勢を示すだけである。その点、中国は全く違う。中国は北朝鮮を破綻に追い込む、具体的な手段をいくつも有している。たとえば、北朝鮮の貿易の9割は中国がらみである。中国がこれを締め出せば、北朝鮮の経済は、間違いなく破綻する。さらに中国は北朝鮮に原油をパイプで送り込んでいる。これを全面的に止めれば、北朝鮮の一般国民の生活も成り立たなくなる。電力源がゼロとなってしまうからである。だから中国がその気になれば、北朝鮮は核の廃棄にも応じざるを得ない。ただし中国がこうした圧力を本当にかければ、北朝鮮が暴発する危険性もある。そこで米中首脳会談に世界中が注目したのである。


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