たとえば「シャブリ」で恥をかくお客さんをたまに見かけるという。

「『シャブリ』という銘柄のワインがあるんですね。白ワインなんですけど、女性の前で『シャブリの赤ちょうだい』とおっしゃる方がいます。……痛いですね」

 日本はお酌文化があるが、ワインは異なるそうだ。

「デートのとき、ワインは男性が注ぐものです。本場のヨーロッパ、とくにワインの歴史が長いフランスでは女性がお酒を注いではダメという決まりがあります。女性はワインボトルを持たない。男性に注いでもらうと、エスコートされているという気持ちになるんですね。男性がどんと座って、『注いでよ』というのはいけませんね」

 なるほど、エスコートしている雰囲気を醸し出すことが大切なのか!そして、ワインボトルの持ち方にもこだわりたい。竹内さんによると、片手で底を持ち、ボトルとグラスが触れないようにして注ぐのがポイントだという。

「エチケットとしてラベルを上にして持ちます。グラスにボトルをつけると、割れたり、液だれするかもしれません」

 注ぐ量は、グラスの一番膨らみの大きいところまで、とか。

「ワインの1杯の量は100~120ミリリットルと言われているんですね。ワイングラスの3分の1か4分の1くらいです。グラスの中で空気とワインが触れるようになるので、香りが出てくるんですよ」

 肉料理には赤ワイン、魚料理には白ワイン、が定番かと思いきや……。

「一般的にはそう言われますが、これも違います。魚でもマグロやカツオなど赤身魚は赤ワインとよく合うんです。タイやヒラメなどの白身魚は白ワインが合う。牛肉とかしっかりしたお肉は赤ワイン、鶏肉など淡白なあっさりしたお肉には白ワインが合います」

 ただし、調味料でも変わるらしい。

「焼き鳥だったら、タレをかけたら赤ワイン。塩、こしょうで食べるなら白ワイン。赤っぽい食べ物には赤ワイン、白っぽい食べ物には白ワイン、でいいと思います」

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