週刊朝日10月20日号 表紙の星野源さん(撮影/馬場道浩)
週刊朝日10月20日号 表紙の星野源さん(撮影/馬場道浩)

 昨年放送された連続ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」で話題沸騰、自身が作詞・作曲・プロデュースを手掛けた主題歌「恋」が大ヒット、その振り付け「恋ダンス」は大ブームとなった。いまや国民的な人気者となった星野さんに、仕事のこと、自身のことを聞いてみた。

──以前から女性の間では絶大な人気を誇っていましたが、昨年、「逃げるは恥だが役に立つ」で本格的なブレークを果たされました。ご自身のなかで、何か変化はありましたか?

 変わったこと……、たとえばわかりやすいところでいうと、投資の話を持ち掛けられたり、不動産を買うようにすすめられたり、お店を出さないかと誘われるということが……。

──あったんですか?

 いや、ないんですよ(笑)。そういうのが来たら、「おやっ」と思うのかもしれませんが。幸い僕の周りには、お金儲けじゃなくて仕事が好きな人が多いんですね。みんな仕事に集中してますから、あんまり変わらないんですよ。

──ご自身も変わらない?

 はい。変わってないと思います。

──星野さんは、役者、音楽家、文筆家など、多彩な活動で知られています。いろんな活動はごく自然に?

 そうですね。初めて演劇に触れたのは、中学生のときの舞台だったんですね。そのときは無口な、どちらかというと暗いタイプで、自分が思っていることを伝えるのが苦手だったんです。だけど舞台で大きな声を出したら、すごく気持ちがよかった。それで、これは自分の人生に必要なんじゃないかと思って演劇を始めたんです。それとほぼ同時期に友達がみんなギターをやり始めて、それで僕も両親のお古を借りて始めました。文章を書くことはもともと苦手で、メールの文章もとにかく下手で。仕事にしたらうまくなるかなと思って始めたんです。しんどい時期が長かったんですが、途中でやめなかったのは、やっぱり好きだからだと思うんですね。やろうとしたものは他にもいろいろあるんですけど、自然とやらなくなりました。だから自分は今やってる仕事が、すごく好きなんだと思います。一人の視聴者、リスナーとして、いまだにワクワクできるんです。ドラマや演劇を見て感動したり、音楽を聴いてすごく元気になったり。だから続けてこられたと思うんですよ。

──そんなふうに興味やリスペクトを持ち続けていることが、星野さんの幅広い交友関係につながっているんですね。

次のページ