歯周病を防ぐため、寝る前には歯間ブラシやデンタルフロスなどで歯と口をケア。片方の鼻を押さえ、ゆっくり長く吐くことに意識を向ける片鼻式(かたはなしき)呼吸法を続ける。「呼吸法はいろいろとありますが、これが最も副交感神経優位に導いてくれると思います」

 より良い睡眠のため、寝室の壁も珪藻土にしているというから、本格的だ。

 エイジングスペシャリストの朝倉匠子さん(61)は歯茎の血行促進のため指マッサージと、舌を使った顔の筋肉体操を寝る前に行う。口を閉じた状態で、右、左、上、下と舌をぐるぐると回す。

「50歳を元気にする専門家」という青豆裕子さん(52)は、寝る前に300ccの水素水を飲む。水素吸入器で水素を1時間吸入しながら眠りに入る。

 首、手首、足首などにウォーマーを巻いて温め、腹巻きも。歯磨きしながら、ストレッチボードで体をほぐす。ウォーマーは使い始めて26年、ストレッチボードは23年。よくかんで食事し、ストレスをためず、頑張りすぎず、質の良い睡眠をとる。「続けることがとても大事。今が一番健康で美しいと思っています」

 エステサロン「プリマヴェーラ」オーナーの藤田智子さん(55)は、枕元に天然気化ラドン吸入装置を置き、マイナスイオンを浴びながら眠りに入る。「いびきをかかなくなったと家族に言われました」。顔のむくみも改善したという。

 同店店長の吉次明女(あかり)さんは、就寝中の肌を守るために顔にヴァセリンを塗って、荒れ肌が改善した。

 寝る前の肌ケアは、女性の永遠のテーマ。機能性の高い化粧品も増えており、その日に受けた紫外線を睡眠中に「なかったことにする」シミ対策の基礎化粧品などもある。寝る前は美の準備体操の時間と言える。

 一方で、何も塗らない「肌断食」をする人も。『肌美人は絶対「夜だけ美容断食」』の著者、美容家の宮本洋子さんは、睡眠前に何も塗らない「美容断食」を勧める。肌本来の機能を戻すためだ。

「寝ている間にかく汗には、免疫グロブリンが含まれます。せっかく、天然の美容液を出せるのに、クリームを塗って肌にフタして寝ると、汗が出にくい。それだけでなく、毛穴に汚れがどんどん詰まります」

 自然化粧品ならば、神経質になる必要はないかもしれない。ただ、化粧品に含まれる防腐剤や添加物が顔にのったままだと、肌の修復活動を邪魔するという。

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