山尾氏。22日、地元の支援者らを前に謝罪した(c)朝日新聞社
山尾氏。22日、地元の支援者らを前に謝罪した(c)朝日新聞社
涙の謝罪会見も話題を呼んだ豊田氏(c)朝日新聞社
涙の謝罪会見も話題を呼んだ豊田氏(c)朝日新聞社
注目選挙区予測 1/4(週刊朝日 2017年10月6日号より)
注目選挙区予測 1/4(週刊朝日 2017年10月6日号より)
注目選挙区予測 2/4(週刊朝日 2017年10月6日号より)
注目選挙区予測 2/4(週刊朝日 2017年10月6日号より)
注目選挙区予測 3/4(週刊朝日 2017年10月6日号より)
注目選挙区予測 3/4(週刊朝日 2017年10月6日号より)
注目選挙区予測 4/4(週刊朝日 2017年10月6日号より)
注目選挙区予測 4/4(週刊朝日 2017年10月6日号より)

 スキャンダルに見舞われて崖っぷちに追い込まれた議員たちは総選挙を生き残れるだろうか。政治評論家・小林吉弥氏、元共同通信記者でジャーナリストの野上忠興氏、選挙プランナー・松田馨氏が予想する・

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 お騒がせ続きの「魔の2回生」の象徴と言えそうなのが、秘書への「このハゲー!」などの暴言や暴行疑惑が報じられ、自民党を離党した埼玉4区の豊田真由子氏。謝罪会見では無所属で出馬への意欲を示したものの、自民党は後継の公認候補を立てるとみられており苦戦は必至だ。

「豊田氏への地元有権者の目は厳しい。相手の民進の新人は評判が良く、優勢です」(小林氏)

 不倫疑惑で民進党を離党に追い込まれた愛知7区の山尾志桜里氏も大ピンチ。22日には騒動後初めて地元の支援者に謝罪と説明を行ったが、取材には多くを語らなかった。駆けつけた支援者の一人がこう語る。

「民進党はともかく山尾氏だけは応援したいという人が地元には多い。ただ、地元生まれの自民の対立候補に対し、山尾氏は落下傘で不利。前回も約5千票差の僅差で勝ったから、女性票も離れて党の支援もない今回は厳しいだろうなあ」

 ただ、復活の目はあるという。

「元々愛知県は非自民が強い土地柄。同情票が一部入ることも考えられるし、そもそも不倫問題だけで落選までいくケースはそう多くない。共産党が候補者を立てず野党票が分散しなければ勝機はある」(松田氏)

 一方、意外な苦戦を強いられそうなのが“ゲス不倫”で議員辞職した宮崎謙介氏の妻である新潟4区の金子恵美氏。スキャンダルのせいではなく、地元事情の影響だという。

「新潟はTPPへの反発などで反自民の機運が高まっており、参院選、知事選で自民候補が連敗している。知名度の高い5区の泉田裕彦氏は出れば強いでしょうが、金子氏は厳しい戦いになりそうです」(同)

 自衛隊の日報隠し問題や、森友学園問題での虚偽答弁、都議選応援中の失言など、とにかくお騒がせだったのが、福井1区の稲田朋美元防衛相。有権者に残したインパクトは強烈だったが、波乱はなさそうだという。

「国民の大ひんしゅくを買い続けた言動からすれば落選してもおかしくないが、自民党の鉄板選挙区であることを踏まえれば、議席確保でしょう」(野上氏)

 小池新党の影響か、若干注目度が下がっているのが日本維新の会だ。「第三極ブーム」を巻き起こした12年の衆院選ほどの勢いはないものの、堅実に議席を維持しそうだ。松田氏がこう語る。

「松井一郎代表をはじめ自民党出身者が多いこともあり、地べたを這う泥臭い選挙ができるので大崩れはしないでしょう。ただ、衆院選のような大規模な選挙では手足となる地方議員の力も分散されるので、厳しい戦いになる。24日投開票の堺市長選で大きく負けるようなことがあれば、大阪でも議席を減らしかねない」(本誌取材班=村上新太郎、亀井洋志、小泉耕平/西岡千史、横田一)

週刊朝日 2017年10月6日号