中垣内監督よ、バレーボールファンの希望となれ! (c)朝日新聞社
中垣内監督よ、バレーボールファンの希望となれ! (c)朝日新聞社

 バレーボール男子日本代表の弱小ぶりが話題になっている。9月12~17日に東京であった国際大会「ワールドグランドチャンピオンズカップ2017(グラチャン)」で5戦全敗。参加相手国チームが、ブラジル、フランス、イタリア、アメリカ、イランと、世界の強豪中の強豪だったこともあるが、奪ったセット数はわずか2セットのみ。東京オリンピックを3年後に控えるが、多くのバレーボールファンには希望の見えない内容に映った。

 批判の矛先の一つが、中垣内祐一監督(49)の采配だ。試合のタイムアウトの際には、フィリップ・ブランコーチが選手たちに細かく指示しているが、中垣内監督は側からジッと見つめるだけ。「どっちが監督?」と、テレビ中継を見ていた人も感じたはず。さらに、負傷中のエース・石川祐希を第4戦のイラン戦の先発メンバーに入れ、試合後には「いつものくせで書いてしまった。あってはならないこと」と弁明した。

 不安は募るばかりだが、2000年代前半に日本代表で活躍し、中垣内監督とも親交がある伊藤信博氏(39)は「信頼すべき」と話す。

 伊藤氏は身長2メートルのセンターで、堺ブレイザーズでは現役時代の中垣内監督とプレーし、中垣内監督が同チームの監督に就いていた05~06シーズンは優勝を分かち合った仲だ。

「現役時代の中垣内さんは頼れるエースで、憧れの存在でした」

 だが、そんな伊藤氏でも、偉大な先輩に物申したいという。

「中垣内さんはかつて、『弱った顔を見せるな。相手につけ込まれるぞ。ファンのためにもそんな表情したらダメだ』と、苦しい時に背中を押してくれたんです。ところが、(グラチャンでの)アンタの表情はなんだ!色々とあったのはわかるけど、弱気な表情が出過ぎ!もうちょっと(以前のように)中垣内さんらしく振る舞って!」

 肝心の監督の資質については、「問題ない」と後押しする。

「中垣内さんは現役時代の晩年に、当時チームを率いた米国人監督の下で最先端の戦術を学びました。監督就任後も、ああ見えて研究熱心で、ブラジルや米国の戦術を研究していました。高校も進学校で、筑波大も一般入学なので、優秀だと思います」

 元チームメートからの激烈なエールは、果たして中垣内監督に届くのか。(本誌・大塚淳史)

※週刊朝日オンライン限定記事