【図1】都道府県別にみた寿命と、人口10万人比のがん(悪性新生物)による死亡率 1/3(週刊朝日 2017年9月22日号より)
【図1】都道府県別にみた寿命と、人口10万人比のがん(悪性新生物)による死亡率 1/3(週刊朝日 2017年9月22日号より)
【図2】都道府県別にみた寿命と、人口10万人比のがん(悪性新生物)による死亡率 2/3(週刊朝日 2017年9月22日号より)
【図2】都道府県別にみた寿命と、人口10万人比のがん(悪性新生物)による死亡率 2/3(週刊朝日 2017年9月22日号より)
【図3】都道府県別にみた寿命と、人口10万人比のがん(悪性新生物)による死亡率 3/3(週刊朝日 2017年9月22日号より)
【図3】都道府県別にみた寿命と、人口10万人比のがん(悪性新生物)による死亡率 3/3(週刊朝日 2017年9月22日号より)
【図4】健康寿命に関係がありそうな要因(週刊朝日 2017年9月22日号より)
【図4】健康寿命に関係がありそうな要因(週刊朝日 2017年9月22日号より)

 年をとっても健康を保つ秘けつは、人それぞれ。その一方で、健康な人が多い地域、不健康な人が多い地域には、特定の傾向がある。食習慣、働き方、趣味やスポーツの好み……。県民性シリーズ第5弾、健康習慣の地域性を探った。

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 健康寿命(日常生活に制限のない期間の平均)が最も長いのは、男女ともに山梨。最短は男性が徳島、女性が大阪。上位と下位の10地域をみると、山梨、静岡など中日本に長い地が多く、東北、関西、四国に短い地が目立つ。

 健康寿命は、平均寿命から寝たきりなど不健康な期間を除いた数字。男女ともに平均寿命より10年ほど短い。いかに健康寿命を延ばし、地域間の格差を縮めるかは、国の政策課題にもなっている。

 ちなみに、平均寿命とは生まれたばかりの0歳児の平均余命。65歳の平均余命をみると、現在65歳の人は平均寿命よりもずっと長生きしそうだ。普段目にする平均寿命以上に、人生は長い。健康を長く保つ大切さがわかる。

 健康な地域とそうでない地域は何が違うか。比べると、いくつか特徴が見える。

 例えば、65歳以上で仕事をしている男性の比率。上位には、健康寿命1位の山梨、3位の静岡、6位の福井が入る。さらに、平均寿命1位の長寿県、長野も含まれる。

 男性の喫煙者比率をみると、福島、青森など比率の高い地は健康寿命の下位が目立つ。女性の野菜摂取量上位をみると、山梨、群馬、秋田など健康寿命の長い地がある。トップは長寿県、長野だ。

 健康を左右する要因は複雑なため、解釈の難しい点もある。沖縄は高齢で働く男性が少ないのに、健康寿命が長い。京都は喫煙者比率が低いのに、健康寿命が短い。では、各地域は住民の健康をどう分析し、何を課題と感じているのだろうか。

「健康寿命の結果は、衝撃でした」というのは京都府の担当者。最新の2013年の数値は、男女ともに前回10年よりも短くなって45位。大半の地域で健康寿命が延びるなか、男女ともに短くなったのは京都と愛知のみだ。

「府北部は歩く習慣が少ないこと、うす味と思われがちな京料理でも塩分が多いことなどが課題。対策を検討中です」(府担当者)

 男女とも健康寿命トップの山梨。県の担当者は健康的な食習慣を支える要因として、郷土料理ほうとうの存在を挙げる。かぼちゃやネギなど野菜をたっぷり入れて食べる。県民の野菜摂取量は全国上位だ。

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