斉さんの案は「桜桜(インイン)」。上野といえば、桜の名所。桜の語は、女の子らしさもかわいらしさも兼ね備える。「上野で自然交配で生まれ、初めてここまで育ったからこそ、場所をしっかり強調したい」と斉さん。

 協会の名誉会長で女優の黒柳徹子さんが里親となって名付けた2頭のパンダも、「豆豆(トット)」「小豆豆(シャオトット)」と繰り返し名だった。

 一方で、和歌山県白浜町のアドベンチャーワールドでは、繰り返し名で命名されていない。2000年以降に生まれた子は、2文字目に白浜の「浜(ヒン)」を入れることが通例だ。

 上野のパンダの公募も、条件は「カタカナ表記の名前」の1点。上野動物園は「繰り返し名にはこだわっていない。むしろ、呼びやすさや女の子らしさが考慮されるのでは」という。

 応募作をもとに、黒柳さん、作詞家の湯川れい子さん、東京都関係者ら6人による選考委員会が10点ほどの候補を選ぶ。パンダを所有する中国野生動物保護協会と協議し、生後100日となる9月下旬に決まる。

 ちなみに、“名人”安住アナがラジオ番組内で最も推した名前は、「ピンクピン太郎」。これが当たれば、確かに時代が相当動いた感はある。パンダウォッチャーの目を白黒させる驚きの名前が誕生するか。

週刊朝日 2017年9月8日号