自社で開発したPB、一度試してみては?(※写真はイメージ)
自社で開発したPB、一度試してみては?(※写真はイメージ)
プライベートブランド一覧(1)(週刊朝日 2017年9月1日号より)
プライベートブランド一覧(1)(週刊朝日 2017年9月1日号より)
プライベートブランド一覧(2)(週刊朝日 2017年9月1日号より)
プライベートブランド一覧(2)(週刊朝日 2017年9月1日号より)

 お店をのぞくと、大手メーカーの商品と並んで、ちょっと安いものを見つけたことがないだろうか。大手小売店などが自社で開発したプライベートブランド(PB)だ。食品や雑貨、家電まで幅広い。安いものでは大手の半額近いものもある。品質も向上していて、シンプルなデザインも人気だ。いまや“何でもそろう”PBの世界を紹介しよう。

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 魅力はやはり安さだ。大手小売店側が商品を企画し、生産をメーカーに依頼。流通コストを抑えながら大量に売る「薄利多売」で、低価格を実現している。いまはかつてあったような「安かろう悪かろう」では、消費者から見放される。品質は有名ブランドに負けないものも多い。

 身近ではコンビニエンスストアの商品棚を見るといい。セブン-イレブンやローソンが独自のブランドを展開している。ほかにもファミリーマートには「ファミリーマートコレクション」があり、各社が競い合う。

 飲料品や洗剤、ペットフードまで、コンビニで扱うほとんど全ての分野が対象となる。大手メーカーより数十円安いペットボトル飲料を、毎日のように買っている人もいるだろう。総菜コーナーも充実している。一人でも食べきれる少量タイプで、「おいしさ」にこだわっているのが人気の秘密だ。

 スポーツ用品の分野でもPBは浸透している。アルペンは表のゴルフシューズ以外にも、各種スポーツウェアなどを取りそろえる。5月に発売した「WIND+ランニングウェア」(税込み価格、上2499円、下3499円)は、軽量で通気性が良い。

 PBの世界は広がっている。今回紹介できたのはごく一部で、商品はさらに増える方向だ。価格よりもデザインといった付加価値を重視する動きもある。

 流通業界に詳しい中央大学ビジネススクールの中村博教授は、

「『低価格路線』と『プレミアム路線』の二極化が、ますます進む。日本では大手メーカーがPBをつくっていることを明らかにすることで、消費者に安心感を与えています。今後も大手小売店と大手メーカーが組んだ商品が出るのではないでしょうか」

 大手メーカーの技術も生かして、PBは成長していく。知らないブランドだと敬遠せずに、一度試してみては。

週刊朝日 2017年9月1日号より抜粋