「被害によってPTSDの症状が出ても、5年から10年ぐらいで症状自体は終わることが多い。私のように何か別のものに依存してしまう場合は、10年以上かかることもあるようです。私は当時、いつかは終わるということを知りたかった。いつまでこのままなんだろう、という思いがすごく強かった。いつになったら抜けるんだろうと。それを知っていれば、もうちょっと楽だったかな。いつかは抜けると思っているとどこか心強くなれる」

 これに対し姫乃さんは、

「いつ終わるのかという見通しが立つのは、すごく重要。以前はいまのようにネットなんかで情報を取れなかった。咲さんの本で知る子もいると思う。咲さんと同じ道をたどるのは大変ですけどね」

と述べた。

 大塚さんは「そうそう」と笑いながら、性的被害を受けた多くの女性向けに、こうアドバイスした。

「私のまねはしないで欲しい。性産業に行ったら救われるとか、勘違いされたらどうしようかなと思っていた。今現在いるんだったら別ですけどね。私は行動してしまうから、それで2次、3次の被害を受けて、訳がわからない状態になった。それをしないことが、心には一番いいことだと思う。突き進んで行き過ぎちゃ駄目。何でだと理由を探したり、何かに依存したり。自分の感覚が動いたまま行くと、またそこで新たな被害にあったり、いろんなことに巻き込まれたりする。そこは気をつけて欲しい。本を読んで『これをしちゃいけないのか』と、わかってくれればうれしい」(本誌・多田敏男)

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