"小林照子(こばやし・てるこ)/1935年生まれ。美容研究家・メイクアップアーティスト。2010年に美容を専門に学べる高校「青山ビューティ学院高等部・東京校」を設立"
「い」を発音するときの口の形をいつも意識!/表情が豊かであれば、〝たるみ〟も味方に。常に「い」の口の形を意識して、口角を上げるようにしよう
「い」を発音するときの口の形をいつも意識!/表情が豊かであれば、〝たるみ〟も味方に。常に「い」の口の形を意識して、口角を上げるようにしよう
親指の付け根のふくらんだ部分をこめかみに当て、目がつるくらいに力を入れて引っ張る。そのまま力を入れながら上に引き上げ、ゆっくり回す
親指の付け根のふくらんだ部分をこめかみに当て、目がつるくらいに力を入れて引っ張る。そのまま力を入れながら上に引き上げ、ゆっくり回す
髪の中に手を入れて、地肌に指の腹を当てる。指先に力を入れ、同じ箇所で円を描くようにゆっくり動かす。少しずつ指の位置をずらしながら、頭全体をマッサージ。次に5本の指で、頭皮をつまんではパッと離す、を5~6回繰り返す
髪の中に手を入れて、地肌に指の腹を当てる。指先に力を入れ、同じ箇所で円を描くようにゆっくり動かす。少しずつ指の位置をずらしながら、頭全体をマッサージ。次に5本の指で、頭皮をつまんではパッと離す、を5~6回繰り返す

 82歳の現役メイクアップアーティスト・小林照子さんのハリのある肌はもはや“奇跡”としか言いようがない。老けない人はたるまないために、毎日どんなケアをしているのだろうか。編集者・ライターの赤根千鶴子氏が取材した。

【たるみ防止のマッサージ方法はこちら】

*  *  *

「一番大切なことは“美意識”を忘れないことだと思います」

 と、小林照子さん。キュッと口角の上がった華やかな笑顔。老け感を感じさせない肌。まさしく年齢不詳の女性である。

 そんな小林さんが大事にしているのが、この8カ条だ。

(1) 見かけのパワーを生かす
(2) 表現力を磨く
(3) 他人の視点から自分を発見する
(4) 自分に愛情を注ぐ
(5) 表情を豊かにする
(6) 年齢不詳になりましょう
(7) 直感を信じましょう
(8) なりたい自分になる

「美意識をいかに保ち続けるか、のヒントになるかと思います。年齢を重ねても毎日身ぎれいにすること、人から自分はどう見えるか、を意識することは、まず心にハリを生みます。心がたるまなければ外見もたるんでこないものです。美容という言葉は、美しい容貌と書くでしょう? これは決して女性のためだけにある言葉ではありません。ぜひ男性にも意識を向けていただけたらな、と思います」

 年齢を重ねると、誰でも全身の重心は下方にいく。そして目元も口元もたるんでくるのが当たり前だ。

「でも8カ条の5番にあげたように、表情がいつも豊かであれば、顔のたるみすら味方につけることができますよ。50代、60代になって普通にすましていると、どうしても不機嫌そうな“わけ知り顔”に見えて、周りに威圧感を与えてしまうもの。ましてや社会的地位が伴っている方は“ザ・重鎮顔”に見えて、人は話しかけづらくなってしまう。人が遠のいていくということは、仕事でもプライベートでも損ですよ。大事なのはいつも『い』を発音するときの口の形を意識することです」

 そうすると口角が上がり、笑顔に見える。

「これは口元のたるみ防止にもいいですよ。私自身、常に意識しています」

 そして小林さんからのもうひとつのアドバイスは、毎日頭皮マッサージをすることだ。顔と頭皮はつながっている。ゆえに頭皮を上にもみ上げるようにマッサージをすることは、顔全体のたるみを防止することにつながっているのだ。

「簡単な頭皮マッサージを二つ紹介しますね。これは毎日のシャンプー時に行ってみてください」

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