江崎グリコが2月に発売した「SUNAO(スナオ)」は、1個わずか80キロカロリー。糖質を40~50%オフ(10グラム以下)にしたうえ、食物繊維もたっぷり。豆乳を使い、砂糖を使わない、など素材にこだわった。

 食べたい気持ちに「素直に」寄り添う思いで開発。20~30代の女性を中心に人気だ。カロリーをコントロールしつつ、アイスを食べて前向きにダイエット。そんな思いに応える商品をめざしているという。

「ガリガリ君」の赤城乳業も3月、10種の野菜と3種のフルーツを使い、チアシードも入れた「リッチ グリーンスムージー味」を出した。ヘルシーな商品がずいぶん増えたものだ。

 ちなみに、アイスは乳成分が高い順に、アイスクリーム(乳固形分15%以上、うち乳脂肪分8%以上)▽アイスミルク(同10%以上、3%以上)▽ラクトアイス(乳固形分3%以上)の3種に分かれる。「ガリガリ君」のような商品は「氷菓」と呼ばれる。

 食べたい気持ちを無理に抑えることなく、体を絞る。そんな健全な、アイスダイエットがあってもよいのではないだろうか。

 グリコの「スナオ」の開発担当者は、アイスを食べながらもバランスの良い食事と適度な運動を心がけ、1年2カ月で12キロやせたという。「アイスはハッピーな食べ物ですから、それでダイエットできればいいと思いますよ」。その一言が印象的だった。

 アイスの消費が世界トップクラスのフィンランドや、ジェラート大国・イタリアでアイスを食べる人を観察すると、本当に幸せそうだ。米国から日本にも上陸したアイス店「コールド・ストーン・クリーマリー」の店内では、アイスを作りながら、店員が笑顔で歌う。アイスは自然と人を笑顔にさせる。それは世界共通なのだ。

 アイスを食べる幸せにとろけつつ、サイズダウン。うまくいくかどうかは保証しませんが、この猛暑を乗り切るためにもアイスダイエット、やってみます?

週刊朝日 2017年7月28日号