アイスクリームの販売額が伸びている(週刊朝日 2017年7月28日号より)
アイスクリームの販売額が伸びている(週刊朝日 2017年7月28日号より)

「アイスクリーム=ダイエットの敵」と思うなかれ。食生活に上手に取り入れれば、体重コントロールも可能なのだ。皆さん、食事制限にストレスがかかるなら、ぜひアイスを食べましょう。我慢するダイエットなんて、もう古いのですから。

 今、空前のアイスブームが起きている。

 アイスクリーム流通新聞社によると、2016年度の販売額は前年比7%増の約5千億円。5年連続で伸び、過去最高。ビール市場は前年割れが続いて冷え込むなか、アイスの市場はアツい。「アイス」を「愛す」人が増えているのだ。

 かくいう記者も大のアイス好き。朝昼晩、アイス、アイス……。アイスを主食代わりにすることも多く、この原稿を書いている今も、ハーゲンダッツのアイスを食べている。前夜の夕食はアボカドとナッツ入りのサラダと、クラシエの豆乳アイス「Soy」のみ。

 学生時代にアイスクリーム店でアルバイトしていたときに、ダイエット目的もあって2週間アイスしか食べないで過ごした体験もある。冷たさに飽きたら、電子レンジで“チン”してホットミルクに。振り返るとばかばかしいほどの工夫で、ひたすら食べた。

 するとどうだろう。意外にも体調は悪くなかった。糖質や脂質を過剰摂取したとは思う。でも、太るどころか体重が少し落ちた。アイスを食べる幸せを味わい、「ストレスフリー(無縁)の自己流アイスダイエット」を実践した。

 そんな経験から、「アイスは悪くない! むしろ、ダイエットの味方かもしれない」ことを考えたい。

 アイスといえば、乳脂肪分。飽和脂肪酸を多く含むため、多くとると悪玉コレステロールが増える、が通説だった。しかし、最近の研究で、必ずしもそうではないこともわかってきた。

 一般社団法人Jミルク広報グループの箸本弘一さんは「牛乳はアミノ酸の比率の高いたんぱく質など、いろいろな栄養素がバランスよく入っている。この点に着目すべきです」と話す。

 飽和脂肪酸を多くとると、生活習慣病につながる。ただ、低脂肪牛乳よりも全脂肪の牛乳を飲む人のほうが病気になりにくく、太りにくいとの研究結果もある。

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