みずほフィナンシャルグループの株主総会では、男性株主が「私が株を買ったときより、今の株価は下がっている。株主は損をしているのに、役員報酬は上がっている」と嘆いた。

 佐藤康博社長は、業績連動制度に変えた影響などを説明するとともに、「株価(の低い水準)は大変重要な問題だとみている」として改善への決意を述べた。

 今年の総会で異例な展開をみせたのが、武田薬品工業。社長・会長を約14年間務めた長谷川閑史(やすちか)氏が退任して相談役に就くことに関し、相談役や顧問の廃止を求める提案を株主が出した。「経営面で強い影響を持ち、健全な企業統治の阻害要因になりかねない」との理由だ。経営陣は「個別の業務執行に影響を及ぼす可能性は排除されている」と理解を求め、提案は否決された。

 一方、相談役ら旧経営陣の影響などで経営が悪化した東芝問題もあり、そのあり方を問う声は急速に高まる。現役役員への報酬支払いとともに、元トップへの処遇に対する株主の目も、厳しくなりそうだ。

 今回の集計対象は、決算期が3月期の企業。ほかの決算期では、セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文前会長が退職慰労金を含めて11億3200万円(17年2月期)、ユニクロを展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長が2億4千万円(16年8月期)などと公表されている。

週刊朝日 2017年7月14日号