具体的な方法は、プローブというスティックで陰茎5カ所に15~20分照射し3千発の衝撃波を当てる。週2回、3週続けた後、3週休み、同じ治療をさらに3週、計12回おこなう。2011年、帝京大学医学部で挿入ができない50代以上の患者を対象に臨床試験をおこない、27人中18人に改善が見られ、そのうち15人は性行為が可能になった。当時帝京大に在籍していた久末医師も、試験に関わっていた一人だ。

 効果は期待できそうだが、衝撃波とは少々怪しいし、何より痛そうだ。

「この衝撃波は、もともと尿管結石を粉砕したり、狭心症で手術ができない全身状態の悪い人の血流を新たに生じさせたりするのに使っていたものです。EDに対しては、結石を粉砕する5分の1程度のパワーに落としますので、痛みはほぼありません」(久末医師)

 これまで久末医師は300例以上治療をしてきているが、まだ副作用は見られていないという。

 東京都在住の田所和雄さん(仮名・70歳)は、EDに悩み精神科を受診していた。妻とセックスができなくなり、自信を失っていたうえ、アクティブで外出がちな奥さんが浮気をしているのではないかと思い込み、喧嘩が絶えなくなっていた。

 13年、久末医師の元を訪れ、ED1000の治療を受けることに。田所さんにはよく効き、照射を1回受けた翌日から朝勃ちし、その後12回の治療を経て、完全に勃起するようになった。

「初診でいらしたときは、失礼ながらお年を召されたご老人という印象でしたが、1カ月後、経過観察でいらした田所さんはダンガリーシャツにスカーフを巻いて、見た目もかなり若返っていました」(同)

 当初、久末医師は、結石で使っていた治療法がEDに効くことに懐疑的だったというが、

「田所さん以外にも、それまで暗かった人が、次の外来で『先生、朝勃ちがすごいです』と明るくなって訪れる顔を見て、疑念が少しずつ晴れていきました」

 だが、全く効かないケースも3割程度あるという。その要因は加齢と合併症だ。

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