俳優・野際陽子さんの死因の肺腺がんとは? 仕事と闘病を両立させる最新治療 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

俳優・野際陽子さんの死因の肺腺がんとは? 仕事と闘病を両立させる最新治療

このエントリーをはてなブックマークに追加
山内リカ週刊朝日
闘病生活3 年。最後まで俳優魂を見せた野際さん (c)朝日新聞社

闘病生活3 年。最後まで俳優魂を見せた野際さん (c)朝日新聞社

 「キイハンター」や「トリック」など人気ドラマに多数出演した俳優の野際陽子さんが13日、肺腺がんのため東京都内の病院で亡くなった。81歳だった。

 がんが見つかったのは3年前。娘の真瀬樹里さんのフェイスブックによると、2度の手術と抗がん剤治療を受けたという。ドラマの撮影中の5月8日に肺炎を患い、入院。真瀬さんの腕の中で息を引き取った。

 肺腺がんといえば、18日に歌舞伎俳優の中村獅童さんが、初期のがんであることを公表したばかりだ。このがんの特徴と治療法について専門医に聞いた。

 呼吸器内科医の寺本信嗣医師(和光駅前クリニック)は「肺がんのなかの5~6割と、最も多いタイプで、初期症状が出にくいのが特徴」と説明する。獅童さんは定期的に受けている人間ドックで判明したという。

 気になるのは、治療についてだ。野際さんが手術を受けたのは70代後半と、高齢だ。体への負担について、肺がん手術の名医で呼吸器外科医の岡田守人医師(広島大学教授)は「今は傷が小さく高齢者にも負担が少ない胸腔鏡手術が普及している。完全切除が可能なケースなら進行していても手術を選択することが多い」と答える。手術を2度受けた点は「新たにがんができたか、がん近くのリンパ節に転移したか、どちらか考えられます」と推測する。

 手術後に抗がん剤治療を受けていた野際さん。仕事と治療を両立させていたようだが、薬物治療に詳しい国立がん研究センター中央病院呼吸器内科長の大江裕一郎医師は言う。

「今は、がんの遺伝子変異によって薬を使い分けるのが一般的。最新の免疫チェックポイント阻害薬も使われます。抗がん剤は副作用がつらいイメージがありますが、副作用が軽い抗がん剤も普及し、副作用を抑える治療法も進化しています。個人差はあるが、薬物治療を受けながら仕事を続ける方も大勢います」

 ところで、肺がんといえば喫煙が最大のリスクと言われる。野際さんも「若い頃はタバコを吸っていた」(芸能記者)と喫煙歴がある可能性も。肺腺がんは非喫煙者や女性が多いため、「喫煙者の免罪符になっている」(寺本医師)ようだが、最近では喫煙で肺がダメージを受けて発症するCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の軽症の人に、肺腺がんのリスクが高いことが明らかになっている。岡田医師も「喫煙の影響が大木野は扁平上皮がんですが、肺腺がんも喫煙がリスクに挙げられる」と指摘している。(本誌・山内リカ)

週刊朝日 2017年6月30日号


トップにもどる 週刊朝日記事一覧

続きを読む

おすすめの記事おすすめの記事
関連記事関連記事

あわせて読みたい あわせて読みたい