■BONSAIの魅力


 盆栽は中国の「盆景」が平安時代に日本に伝わったものとされている。その後、武家の趣味として広まり、徳川3代将軍家光は特に愛好した。家光が育てた盆栽は皇居の大道庭園で今も美しい姿を見せている。

 日本の伝統文化である盆栽は、今やBONSAIとして認知され、世界中に愛好者が広がっている。4月27日から30日まで、さいたま市で世界盆栽大会が開催され、初日に会場の一つである大宮盆栽美術館を訪れていた人の8割が、じつは外国人であった。彼らは皆立ったり座ったりして熱心に盆栽を凝視し、聖地大宮で逸品を鑑賞できる喜びを体中で表していた。自身もドイツでBONSAIスタジオを持つアーティストのマックス・エンゲルスさんは「私も盆栽を100鉢くらい持っています。盆栽は日本の歴史と文化と伝統を一つに凝縮した偉大な芸術です」。一緒にいたアンナ・アルワインさんは「素晴らしいBONSAIを間近に感じられて感激です」とBONSAI愛を熱く語ってくれた。

 盆栽の輸出量は増加し続け、重要な輸出品でもある。世界が注目するBONSAIはクールジャパンの代表だ。

週刊朝日 2017年5月26日号