15日、平壌の金日成広場で行われた金日成主席の誕生105周年慶祝閲兵式(軍事パレード)を観覧する金正恩・朝鮮労働党委員長=朝鮮通信 (c)朝日新聞社
15日、平壌の金日成広場で行われた金日成主席の誕生105周年慶祝閲兵式(軍事パレード)を観覧する金正恩・朝鮮労働党委員長=朝鮮通信 (c)朝日新聞社
弾道ミサイル「北極星」=朝鮮通信 (c)朝日新聞社
弾道ミサイル「北極星」=朝鮮通信 (c)朝日新聞社

 核をめぐる緊張が高まる朝鮮半島で、米朝の“ばかし合い”が続いている。

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 ペンス米副大統領は4月22日、朝鮮半島に向かうとされながら実際は西太平洋で演習をしていた原子力空母カール・ビンソンについて「数日以内に日本海に到着する」と発言。一方、北朝鮮は16日のミサイル発射には失敗したものの、いつでも核実験ができる態勢を整えていると報じられる。

 こう着状態が続く中、注目されるのは朝鮮人民軍の創建85周年の記念日にあたる25日に何が起きるかだ。コリア・レポートの辺真一編集長がこう語る。

「金正恩氏の勝ち気な性格でも、米韓が合同軍事演習中の25日に行動に出る可能性は五分五分。北朝鮮は核実験の準備をしていることを公式に認めているが、いつ実行するかは一度も言っていない。5月の連休明けやそれ以降など、米空母が離れる時期を待つかもしれず、“チキンレース”は続くでしょう」

 一触即発の危機、のはずが、日本政府の対応はどうも微妙だ。安倍晋三首相は27~30日にロシア、英国を予定どおり訪問するという。

 有事となれば日本も北朝鮮のミサイルの標的になる可能性があり、安倍首相は13日の国会で「(北朝鮮は)サリンを(ミサイルの)弾頭につけ、着弾させる能力をすでに保有している可能性がある」と、自ら危機感をあおったばかり。

 そんな局面に、自衛隊の最高司令官である首相が不在で大丈夫なのか。政府高官がこう語る。

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