野球ゲームの実況でおなじみ 「伝説の試合」も実況名物アナ (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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野球ゲームの実況でおなじみ 「伝説の試合」も実況名物アナ

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熱い実況で野球ファンを喜ばせた安部憲幸さん(朝日放送提供)

熱い実況で野球ファンを喜ばせた安部憲幸さん(朝日放送提供)

 プロ野球の名物実況で知られた、大阪の朝日放送の元アナウンサー安部憲幸さんが4月6日、胃がんのため亡くなった。71歳だった。

 実況は関西の野球ファンなら耳にしたことがあるはずだ。愛称は「アベロク」で、熱く、ユニークな語り口で人気があった。

 1988年10月19日の近鉄バファローズ対ロッテオリオンズのダブルヘッダーで、第2戦を実況した。近鉄は2試合とも勝利すればリーグ優勝できるが、どちらかでも引き分けるとだめな状況。結局、第2戦で引き分けとなり、優勝を逃した。後に“伝説の試合”と呼ばれることになる。優勝を逃しながらも最後までプレーする選手をたたえる安部さんの声は、視聴者の共感を呼んだ。

 70年に朝日放送へ入った。野球の実況を希望していたものの、なかなか仕事が回ってこなかった。そこで磨いたのがユニークな表現。

「風が押したホームラン!」
「甲子園の魔物がペロリと舌なめずり!」

 使う言葉やアイデアを書き留めていった。ノートは何冊にもなり、努力を重ねて名実況が生まれた。

 朝日放送のエグゼクティブアナウンサーで、朝のラジオ番組「おはようパーソナリティ道上洋三です」を担当する道上洋三さんは、新人のころから知っている。

「彼は入社の期としては五つ下。彼も僕もスポーツアナウンサーとして入った。上には五輪を実況中継したエースたちがいて、頑張っても越えられないと思っていました。僕は3年でスポーツを諦めたが、彼は頑張って『近鉄バファローズアワー』の実況中継を担当することになった。そして、すごくオーバーな表現で花開いた」

 安部さんは実況中に興奮してしまうことが多かった。あるとき、花井悠さん(故人、元西鉄ライオンズ)が解説で隣に座った。カメラに映るわけではないのに、身ぶり手ぶりを交えて話していた。そこにホームランが出て、「打ちました! 大きな当たり!」と両手でガッツポーズ。隣に座る花井さんの頬をうっかり殴ってしまったという。


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