放送作家でコラムニストの山田美保子氏が楽屋の流行(はや)りモノを紹介する。今回は、「局弁」について。
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「早朝番組をやると太る」という話をよく聞く。6時台? いや、5時台とか4時台の生放送を担当すると、「とにかく一日が長いので、4食、5食と食べてしまう」からなのだそうだ。
早朝番組の担当ではないけれど、「好きな女性アナウンサー」「理想の上司」ランキングで現在1位をひた走る日本テレビの水ト(みうら)麻美アナウンサーのように、食リポが多い人も同様だ。
もっとも水トちゃんの場合、食べることが大好きで、「ヒルナンデス!」(日本テレビ系)後、ロケが決まっているのに、朝食も昼食もしっかり。ロケでも完食し、ときには後輩アナを集めた食事会=「水ト会」を開催するような強者だ。
水トちゃんの名誉のために書かせていただくが、ああ見えて実はダイエットに励んでいるのだとか。お母さまが作ってくださる“うちゴハン”でカロリーコントロールしているそうだ。
なかには、局弁に手をつけず、自作のお弁当を持参してくる局アナやフリーの女子アナもいる。
番組デスクがローテーションを考えてくれている局弁は、美味しいものばかりなのだけれど、高カロリーなのが確かに気になる点だ。
もともと「きつねうどん」が名物のお店で、出汁は、昆布とさば節とうるめ節を使った薄味。「日替り弁当」に必ず入っている出汁巻卵のみならず、野菜や高野豆腐の煮しめにも、上品な出汁が利いていて、他の局弁とは、一味も二味も違う。
焼き魚、黒豆、天ぷらなど、おかずはすべて少量で、大食いな男性には、ちょっと物足りないぐらいかもしれないが、「お昼時に食べるなら、これぐらいがちょうどいい」「さっぱりしていて、前日、お酒を飲み過ぎていたとしても、胃に優しく、もたれない」と男性コメンテーターにも好評だ。
ご飯は、白飯に黒ゴマというパターンと、じゃこご飯のパターンが。駅弁のようにカロリーが記されているワケではないのだけれど、「完食したとしても、夜の会食に響くことはない、理想的な局弁」と言って間違いないと思う。
この局弁と同じものは販売していないが、予約すれば予算や好みに合わせて対応できるという。行楽弁当として特に年配の方には喜ばれると思う。関西在住の方はぜひ!
※週刊朝日 2017年3月24日号