東大が来年の入試から面接を復活させるように、面接重視が各大学に広がる。

 東京慈恵会医大は今年から、従来の個人面接に加え、MMI(multiple mini interview)という方式を導入した。特定のテーマについて、受験生と評価者とが1対1で7分間話し合う形式だ。別々の四つのテーマが用意され、受験生は個人面接を含めて計5人の評価者と話すことになる。

 医学科長の宇都宮一典教授は「医師になるための資質は筆記試験だけでは測れません。論理的思考力、判断力、表現力など、多様な観点から評価するため、面接方法を変更しました」と話す。

 こうした動きについて、河合塾の横井さんは「面接がハードになり、新たに2400字程度の小論文も課されました。志願者は241人減ですが、同大をめざす成績上位層は敬遠せずに受けたと思います」と話す。

 藤田保健衛生大は昨年まで、受験生と4人の評価者との面接が1回だった。今年は一般入試で1対1の5分間の面接を4回、推薦入試とセンター試験利用入試で8回実施した。

「6年間の学費を640万円値下げしたのに志願者が75人減ったのは、この面接方法が敬遠されたのかもしれません」(可児さん)

 帝京大前期と近畿大後期は昨年まで学科試験と面接が同じ日だった。今年は1次の合格者に、面接など2次試験を課すようにした。

「昨年まで簡単にしていた面接に時間を割いています。今後は医師としての自覚や資質をしっかりみると思います」(亀井さん)

 志願者数が微減とはいえ、難関ぶりは変わらない。学力とともに、医師になるための資質や自覚もより問われている。

週刊朝日 2017年3月10日号