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フジマキ「現状は非常事態のはず」 政治家が肝に銘じる言葉とは

連載「虎穴に入らずんばフジマキに聞け」

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「他人の身を預かる者の最も心しなければならないことは、慣れからくる判断の誤りである」。フジマキ氏はこれこそが政治家や政府が肝に銘ずべき言葉と指摘する (※写真はイメージ)

「他人の身を預かる者の最も心しなければならないことは、慣れからくる判断の誤りである」。フジマキ氏はこれこそが政治家や政府が肝に銘ずべき言葉と指摘する (※写真はイメージ)

 超低金利の日本。“伝説のディーラー”と呼ばれた藤巻健史氏は、財政再建から逃げまくっている今の状況に警鐘を鳴らす。

*  *  *
 一昨年亡くなった叔母の遺品に、私の送った手紙類があった。妹が見つけて送ってくれたので中身を見ると、こんなものまで取ってくれていたか、と涙が出た。

 三井信託銀行ロンドン支店(当時)の赴任直後に送った、1982年冬の手紙が目を引いた。ビジネススクールで2年間英語漬けだったとはいえ、聞き間違えると巨額損失につながるだけに、ビビって英語での取引から逃げまくった様子がうかがえる。英国人アシスタントが記録できるように、会話はマイクから流れていた。以下は手紙にあった仲介業者と私とのやり取り。

仲介業者 6カ月資金の貸し手希望レートは14と15/16%、借り手の希望レートは14と13/16%。興味ありやなしや?
私 興味なし
仲介業者 フランスの銀行が15%まで支払うという。興味ありやなしや?
私 興味なし
仲介業者 サー、私の名はジョン。あなたの名前は?
私 興味なし(周り爆笑)

★   ★
 手紙が私の目を引いたのは、失敗談もさることながら、金利のレベル。15%近辺のこのレートが、ドル、ポンド、スイス・フラン、どの通貨だったかは記憶にない。どれにせよ、現在の0%周辺の円短期金利やドルの政策金利0.5~0.75%より著しく高い。

 一方で、現在の超低金利も異常だと認識したほうがよい。特に、FRB(米連邦準備制度理事会)の定める政策金利は、米国経済の情勢と比べて低すぎる。

 バブル期の日銀は、消費者物価指数の上昇率が1%以下だったことに目を奪われ、資産価格の高騰を無視した。その結果、金融引き締めが大幅に遅れた。

 FRBは同じ政策ミスをしているように思えてならない。米国は完全雇用で、株価は史上最高値の水準。地価も堅調だ。昨年12月下旬に発表された第3四半期の米実質国内総生産(確報値)は、年率換算で前期比3.5%増と潜在成長率を超えた。この状況で、0.5~0.75%は低すぎる。


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