フジマキ氏「米経済一人勝ちの状況でのドル安は無理」 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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フジマキ氏「米経済一人勝ちの状況でのドル安は無理」

連載「虎穴に入らずんばフジマキに聞け」

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米デトロイトで開かれた自動車ショー。トランプ政権誕生で、米国製造業にどんな影響がでるか (c)朝日新聞社

米デトロイトで開かれた自動車ショー。トランプ政権誕生で、米国製造業にどんな影響がでるか (c)朝日新聞社

 トランプ大統領の当選から揺れる米国の為替相場。“伝説のディーラー”と呼ばれた藤巻健史氏は、円安ドル高の是正が進むのでないかという予測に異議を唱える。

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 米大統領選でトランプ氏が当選した昨年11月以降、為替相場は一変した。1ドル=102円から一時118円台まで円安に。そんな最中に、テニス仲間のマキさんからメールが来た。

「いくら為替予想が当たったとはいえ、明日の講演会でふんぞり返ってはいけませんよ。謙虚にね」。「大丈夫、大人ですから」と返事したものの、モルガン銀行時代に部下のウスイ嬢からよくこう言われたことを思い出した。「支店長、ときどき自分が小学生みたいだなと思いませんか?」

 子供のようになるのは、相場が荒れたディーリングルーム内だけのはず、と自覚してはいるのだけれど。

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 昨年12月27日付の日本経済新聞朝刊「2016けいざいあの時」に〈円相場は1カ月余りで約17円の円安に転じ、国内の景況感も急速に改善した〉とあった。この記事からもおわかりのように、円安は最強かつ最も安上がりな経済対策だ。昔から穏やかな円安政策さえとっていれば、財政出動も異次元の量的緩和も必要なく、財政も日銀も危機に陥らなかったのに、と残念でならない。

「米国製造業に悪影響だから、トランプ氏はいずれ円安ドル高の是正にかじを切る」とのコメントを最近よく聞く。大統領選後は大幅な円安とのイメージがあるが、一昨年6月の125円と比べれば、118円台はまだ円高の水準と言える。

 昨年1年間でみて、ドルは対ポンドで16%余り、対ユーロで3%上昇したが、対円で逆に3%下落した。大統領が大慌てするレベルとは思えない。

 大慌てしても、米大統領が為替動向を決めるのは現実問題として不可能だ。為替市場は巨大で、ファンダメンタルズ(基礎的条件)に反した誘導はできない。米経済一人勝ちの状況でのドル安は無理だろう。


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