ミッツ・マングローブ「平野ノラに笑う世間の本当の貧しさ」 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

ミッツ・マングローブ「平野ノラに笑う世間の本当の貧しさ」

連載「アイドルを性せ!」

このエントリーをはてなブックマークに追加
「ならば、とことん酒を飲み、添加物を摂取し、タバコを吸い、日光を避け、タクシーに乗りまくりながら生きていこうと思います」とミッツさん (※写真はイメージ)

「ならば、とことん酒を飲み、添加物を摂取し、タバコを吸い、日光を避け、タクシーに乗りまくりながら生きていこうと思います」とミッツさん (※写真はイメージ)

 ドラァグクイーンとしてデビューし、テレビなどで活躍中のミッツ・マングローブさんの本誌連載「アイドルを性(さが)せ」。今回は、「平野ノラ」を取り上げる。

*  *  *
 人気爆発! 平野ノラ! 彼女のブレイクを観て、バブルは再びの夢ではなく、完全なる過去の『ネタ』になってしまったのだと痛感する今日この頃。できることなら今もバブル期の気概で暮らしたいと思っている私とて、ソバージュのウィッグを着用する際には、どこか『(笑)』な注釈を、自分の中に抱いているのが事実です。

 私は『金にあかせて』という表現が好きです。実際にお金がある・ないではなく、そう言い切れてしまう心持ちの豊かさが健全だから。反対に、『お金より大事なもの』とか『お金より価値のある』的な精神論は、貧乏臭くて好きではありません。概ね、現状からの言い逃れに過ぎない。かつてユーミン様が放った金言『お金より大事なものは、金持ちにしか分からない』の通り、バブル期の世間は、『お金<心』という真理を、今よりも遥かに深いところで理解していたように思います。『飾りじゃないのよ涙は』(84年)が、やがて『愛は勝つ』(90年)になり、行き着いた先には『明日・夢・プライド』といった薄っぺらなポジティブばかり。今日という刹那からは目を背け、自分本位な『得』や『おまけ』、人任せの『感動』を、恥ずかしげもなく貪(むさぼ)る世の中になってしまいました。不倫はダメでも、不倫ドラマは流行りますし。「崩落したら誰が責任取ってくれるんだ!」と叫びながら石橋を叩いて、だけど渡らない。バブルとオカマは似ています。どちらも『向こう見ず』な様相を孕(はら)んでいるので、臆病になるしかない現代社会には、愚かにも羨ましくも映るのでしょう。「自分は安全地帯にいる」と確認するための比較材料。「あれは異常で、こっちが正常」ってか? 上等じゃないの!


トップにもどる 週刊朝日記事一覧

続きを読む

おすすめの記事おすすめの記事
関連記事関連記事

あわせて読みたい あわせて読みたい