ドローン操れぬ自衛隊の時代遅れ度 「駆けつけ警護」に死角あり  (2/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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ドローン操れぬ自衛隊の時代遅れ度 「駆けつけ警護」に死角あり 

駆けつけ警護の任務を初めて与えられた陸上自衛隊派遣部隊の壮行会で訓示する稲田朋美防衛省(壇上)と隊員たち (c)朝日新聞社

駆けつけ警護の任務を初めて与えられた陸上自衛隊派遣部隊の壮行会で訓示する稲田朋美防衛省(壇上)と隊員たち (c)朝日新聞社

 長時間の監視飛行が可能なドローンがPKO活動でも有用であることは国連も認めており、13年には国連自らが偵察用ドローン「ファルコ」を導入して、コンゴ民主共和国におけるPKO活動に投入している。

 軍事評論家の清谷信一氏は危惧する。

「危険度の高い地域での派遣部隊の安全確保には情報収集が重要です。陸上自衛隊が03~09年に行ったイラク派遣では、ヤマハ発動機が開発した『RMAX』という“ドローン”を夜間の宿営地の警備に使用していました。もし、南スーダン派遣部隊が情報収集に役立つドローンを持参していないとすれば、隊員の安全確保の上で問題がある」

 先進国でドローンが普及した裏には、ベトナム、イラク、アフガニスタンなどの戦争で大勢の戦死者を出したことに対する、世論の批判の影響もあった。

 ベトナム戦争でアメリカが勝利できなかった理由の一つとして、戦死者の増加により国内に厭戦ムードが高まり、戦争の継続が困難だったことが挙げられるが、アメリカに限らず第2次世界大戦以降の民主主義国では、やむを得ず武力行使を行う場合でも、死傷者の数を極力抑えることが要求される。また先進国では程度の差はあるものの少子高齢化が進行しており、軍用機パイロットの確保も年々困難になっている。

 ドローンは仮に撃墜されてもパイロットが戦死したり捕虜になることがなく、有人機に比べれば操縦が容易だ。このためアメリカでは10年の時点で、国防総省が保有している約1万8千機の航空機のうち40%を無人機が占めるに至っている。またアメリカ以外の国でも普及が進んでおり、アメリカのシンクタンク「ニュー・アメリカ・ファウンデーション」は、70カ国以上で無人機が運用されているとのレポートを発表している。

 しかし自衛隊では射撃訓練に使用する標的機型のドローンを除けば、陸上自衛隊がヘリコプター型のFFOSとその改良型のFFRS、手投げ式のJUXS-S1という3種類のドローンを保有しているのみだ。調達数もFFOSが8機とFFRSが12機、JUXS-S1が30機程度。アメリカ軍や人民解放軍(中国軍)のような巨大な軍隊は無論、自衛隊よりも規模の小さいイギリス軍やドイツ軍などに比べても極めて少ない。


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