加藤:全然思っていないときでも、番組の改編期に合わせて、毎回のように記事が出ていましたから。

林:最終的には、社長に直接退社を伝えたんですよね。

加藤:私が直属の上司に伝えて、その方がまた上司に伝えて……と順番で行くと、どこかで漏れてしまうと思ったんです。社長と社員が直にコミュニケーションをとれるような社風ということもあって、直接お伝えしました。

林:当然、引きとめられたでしょう?

加藤:「お話があります」とお伝えした時点で、社長はわかっていたようです。「よく頑張ってくれたね」という言葉をかけてくださいました。

林:それはよかったですね。私は朝6時に起きるので「めざましテレビ」は6時過ぎから見ていましたが、あの番組、何時からやっているんですか。

加藤:5時25分からです。毎朝3時起きでした。

林:わっ……。朝はお迎えの車が来るんですよね。

加藤:はい。会社に行って、メイク室でお化粧をしながら、同時進行で髪の毛をやっていただいて。

林:それを何年続けたんですか。

加藤:「めざまし」を月~金でやったのはトータル4年半です。その前には朝4時からの「めざにゅ~」という生放送を週の半分やってました。フジテレビにいた8年のうち、7年半は早朝の番組でしたね。

林:それ以外にもレギュラー番組があったり、改編期には特番、特番で大変だったでしょう。

加藤:そうでしたね。朝から晩までずーっとフジテレビのスタジオにいて、ダッシュで帰って寝るという生活でした。

林:お友達とお酒飲んだりごはん食べたりする時間は?

加藤:ほとんどなかったですね。

林:すぐ週刊誌に撮られちゃいますもんね。

加藤:そうなんです。だから外に出るのがおっくうになってしまって。

林:アナウンサーってマネジャーもいない普通の会社員なのに、大変ですよね。自分の生活なんてなかったんじゃないですか。

加藤:なかったですね。でも、当時はそれ以上にお仕事を頑張りたいという気持ちが強かったので。

週刊朝日 2016年12月9日号より抜粋

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