“ツレうつ”から10年 「元気づけようと踊ったことも…」と作者振り返る

2016/09/23 11:30

 1、2カ月間はほとんど起きられず、横になっていました。そのときのツレは、顔は茶色、グッタリしていて、白髪も目立つようになって……、見ているのがつらかったです。そういうときは、近所の人や友人に愚痴を聞いてもらっていました。一人だけだったら対処できなかった。周りの助けがあったからこそ、今があるんだと思います。

 うつと診断されて1年ぐらい経ったころから体調が良くなってきました。と同時に、彼は変わりました。以前は頭がガチガチで、「こうあるべき」という思いが強かったのが、無理をしなくなり、体にも気を配るようになりました。発症前のツレが今の姿を見たら、「軟弱な生き方をして!」と憤るかもしれません。そう本人も言っています。でも、今のほうが私にも居心地がいい。

 私自身も変わりましたね。今までは余計なことを口走る性格だったんですが、一呼吸置いてから話をするようになった。二人のケンカも減って。当時はたいへんだったけれど、うつの経験は大きかったと思います。

 ご家族に一つ言えるのは、患者さんも大事だけれど、自分も大事ということ。自分を持っていないと患者さんに振り回されてしまうだけです。ストレスを適度に発散しつつ、楽しいことをやりつつ、その上で患者さんを見守っていく。そんなスタンスでいいのではないでしょうか。

週刊朝日 2016年9月30日号

ツレがうつになりまして。

細川貂々著

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ツレがうつになりまして。
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