小学生からやっても意味ナシ? 第一人者が日本の英語教育にNO!

2016/09/17 11:30

鳥飼:難しい質問ですね。日本人にもすぐれた英語の使い手がたくさんいますから、「日本人だからダメ」ということはないと思うんです。ただ、言葉に対する日本人の態度という意味で、課題はあるかもしれません。私、小学生のころ、通信簿に「口数が多すぎます。注意しましょう」と書かれたんです。

林:まあ、そうなんですか。

鳥飼:日本では、おしゃべりは軽佻浮薄で、黙っているほうが無難。でも英語って、「ここまで言うか」というくらい熱心に伝える。その違いは大きいですね。日本の英語教育はそういった問題を考えて議論することなく、また、実施した改革を検証することなく、ただ改革を繰り返してきた。そして行きついたのが、「小学校からの英語教育」なんです。

林:何年前から始まったんでしたっけ。

鳥飼:2008年に5、6年生を対象にした英語活動の必修化が決まって11年から実施されていて、次の学習指導要領では、5、6年生は英語が教科になり、英語活動は3、4年生から始めることになっています。でも、早く始めればいいという問題ではないし、英語嫌いを増やすだけだと思うんです。というのも、私は英語授業のある小学校に行っていて、それで英語が嫌いになりかけたんです。母から教わった発音をしたら、日本人の先生に「子どものくせにキザな発音するんじゃないの!」ってものすごく怒られて。ほんとに悲しかったんですよ。

林:お母さまは英語が話せたんですか。

鳥飼:話せました。私が泣きながらうちに帰ってその話をしたら即座に、「それは先生が間違っている」と言って、学校に抗議したみたいです。小学生にとって先生は絶対的な存在なのに、その先生が間違った指導をしている。今だってふつうの学級担任の先生が、「なんで私が英語を教えなきゃいけないの?」と思いながら教えてるわけですよ。

林:ネイティブの人が教えるのなら、いいんですか?

鳥飼:ネイティブスピーカーといっても、日本の公立学校に来ている英語指導助手の大半は、教えるプロではないんです。発音のモデルはできても、どうやったらその音が出るのかは教えられないんです。

林:鳥飼さんは文科省のいろんな委員会の委員もされてますが、そういう場でもおっしゃってくれているんですか。

鳥飼:私はあまりにも文科省批判を繰り返してますから、もう委員は頼まれないです。林さんもおっしゃってくださいよ。

週刊朝日 2016年9月23日号より抜粋

1 2

あわせて読みたい

  • 吉田鋼太郎の初舞台は妖精役 でも「おまえ、照明係に代われ」と言われ…

    吉田鋼太郎の初舞台は妖精役 でも「おまえ、照明係に代われ」と言われ…

    週刊朝日

    9/21

    「英語漬け」のインターナショナル幼稚園に求められる幼児教育の質とは?

    「英語漬け」のインターナショナル幼稚園に求められる幼児教育の質とは?

    dot.

    7/30

  • 青木功「今朝も妻にキス」“ゴルフ界のレジェンド”の素顔

    青木功「今朝も妻にキス」“ゴルフ界のレジェンド”の素顔

    週刊朝日

    10/13

    英語教育最前線 人気の“プリスクール”選びで気をつけたいこととは?

    英語教育最前線 人気の“プリスクール”選びで気をつけたいこととは?

    dot.

    11/25

  • 幼児期からの英語教育で「バイリンガル脳」を育てるには? 専門家が教える習得法

    幼児期からの英語教育で「バイリンガル脳」を育てるには? 専門家が教える習得法

    dot.

    8/8

この人と一緒に考える

コラムをすべて見る

コメント

カテゴリから探す