小学生からやっても意味ナシ? 第一人者が日本の英語教育にNO! (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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小学生からやっても意味ナシ? 第一人者が日本の英語教育にNO!

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立教大学名誉教授(言語コミュニケーション専門)鳥飼玖美子とりかい・くみこ/東京都生まれ。上智大学外国語学部卒業。コロンビア大学大学院修士課程修了。サウサンプトン大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。NHK「ニュースで英会話」監修およびテレビ/ラジオ講師。著書に『歴史をかえた誤訳』(新潮文庫)、『危うし! 小学校英語』(文春新書)、『通訳者と戦後日米外交』『戦後史の中の英語と私』『英語教育論争から考える』(以上、みすず書房)、『国際共通語としての英語』『本物の英語力』(以上、講談社現代新書)などがある(撮影/写真部・岸本絢)

立教大学名誉教授(言語コミュニケーション専門)鳥飼玖美子
とりかい・くみこ/東京都生まれ。上智大学外国語学部卒業。コロンビア大学大学院修士課程修了。サウサンプトン大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。NHK「ニュースで英会話」監修およびテレビ/ラジオ講師。著書に『歴史をかえた誤訳』(新潮文庫)、『危うし! 小学校英語』(文春新書)、『通訳者と戦後日米外交』『戦後史の中の英語と私』『英語教育論争から考える』(以上、みすず書房)、『国際共通語としての英語』『本物の英語力』(以上、講談社現代新書)などがある(撮影/写真部・岸本絢)

鳥飼:難しい質問ですね。日本人にもすぐれた英語の使い手がたくさんいますから、「日本人だからダメ」ということはないと思うんです。ただ、言葉に対する日本人の態度という意味で、課題はあるかもしれません。私、小学生のころ、通信簿に「口数が多すぎます。注意しましょう」と書かれたんです。

林:まあ、そうなんですか。

鳥飼:日本では、おしゃべりは軽佻浮薄で、黙っているほうが無難。でも英語って、「ここまで言うか」というくらい熱心に伝える。その違いは大きいですね。日本の英語教育はそういった問題を考えて議論することなく、また、実施した改革を検証することなく、ただ改革を繰り返してきた。そして行きついたのが、「小学校からの英語教育」なんです。

林:何年前から始まったんでしたっけ。

鳥飼:2008年に5、6年生を対象にした英語活動の必修化が決まって11年から実施されていて、次の学習指導要領では、5、6年生は英語が教科になり、英語活動は3、4年生から始めることになっています。でも、早く始めればいいという問題ではないし、英語嫌いを増やすだけだと思うんです。というのも、私は英語授業のある小学校に行っていて、それで英語が嫌いになりかけたんです。母から教わった発音をしたら、日本人の先生に「子どものくせにキザな発音するんじゃないの!」ってものすごく怒られて。ほんとに悲しかったんですよ。

林:お母さまは英語が話せたんですか。

鳥飼:話せました。私が泣きながらうちに帰ってその話をしたら即座に、「それは先生が間違っている」と言って、学校に抗議したみたいです。小学生にとって先生は絶対的な存在なのに、その先生が間違った指導をしている。今だってふつうの学級担任の先生が、「なんで私が英語を教えなきゃいけないの?」と思いながら教えてるわけですよ。

林:ネイティブの人が教えるのなら、いいんですか?

鳥飼:ネイティブスピーカーといっても、日本の公立学校に来ている英語指導助手の大半は、教えるプロではないんです。発音のモデルはできても、どうやったらその音が出るのかは教えられないんです。

林:鳥飼さんは文科省のいろんな委員会の委員もされてますが、そういう場でもおっしゃってくれているんですか。

鳥飼:私はあまりにも文科省批判を繰り返してますから、もう委員は頼まれないです。林さんもおっしゃってくださいよ。

週刊朝日 2016年9月23日号より抜粋


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