ミッツ・マングローブ「卓球が教えてくれた演歌な心と劣等感」 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)
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ミッツ・マングローブ「卓球が教えてくれた演歌な心と劣等感」

連載「アイドルを性せ!」

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「卓球が教えてくれた演歌な心と劣等感」(※イメージ)

「卓球が教えてくれた演歌な心と劣等感」(※イメージ)

 ドラァグクイーンとしてデビューし、テレビなどで活躍中のミッツ・マングローブさんの本誌連載「アイドルを性(さが)せ」。今回は、卓球界のヒロイン、ヒーローを取り上げる。

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 シングルスで男泣きをした首領(ドン)こと福原愛ちゃん。一転、団体戦ではキャプテンとしてチームを銅メダルに導き、達成感と解放感からか、試合後は一貫して大晦日の演歌歌手みたいになっていました。和の美徳に徹底した「三歩下がった嬉し涙」。日本女性の誇りです。それでいて、髪を下ろすと3人の中でいちばんのヤングスタイル。根っからの戦士(ファイター)です。

 さて、今回のオリンピックにおける最大の収穫は、卓球と日本人の親和性を改めて確認できたことではないでしょうか。古くから親しまれてきた卓球は、観戦競技としても、すこぶる日本人の気質に合っていることが分かりました。その鍵は「泣き」と「劣等感」にあります。特に女子卓球の戦いは「泣き」の全曲集のようでした。負けては泣き、勝っては泣き、悔しくては泣き、嬉しくては泣き、振り返っては泣き。ひたすら湿っぽい。無論、その湿っぽさの8割は、愛ちゃんの天性に依(よ)るものでしたが、「歯を食いしばり、耐えて、追いかける」といった日本海的な悲壮感は、やはり我が国にとって鉄板要素なのだと痛感した次第です。卓球に持たれ続けている「決して華やかでスタイリッシュなものではない」というイメージを逆手に取ることで、人々の視線と感情を釘付けにしたと言えるでしょう。愛ちゃん劇場、圧巻でした。


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