「第三者」なんていない? 春風亭一之輔が飛行機トラブルで考えた (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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「第三者」なんていない? 春風亭一之輔が飛行機トラブルで考えた

連載「ああ、それ私よく知ってます。」

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6月某日。某空港にて朝10時発の羽田行きの便に乗り込んだ…(※イメージ)

6月某日。某空港にて朝10時発の羽田行きの便に乗り込んだ…(※イメージ)

 落語家・春風亭一之輔氏が週刊朝日で連載中のコラム「ああ、それ私よく知ってます。」。今週のお題は、「第三者」。

*  *  *
 6月某日。某空港にて朝10時発の羽田行きの便に乗り込んだ。

 周りはスーツ姿のサラリーマンばかり。私は羽田に着きしだい、都内の寄席に出演する予定。

 車輪が回り、飛行機は進む。窓の外、遠くのほうで係員さんたちが笑顔で手を振っている。ありがとう、みんな。また来るよ!

 だが、離陸直前に飛行機が止まった。

「◯◯装置に不具合が生じたため、当機は3番スポットに引き返し、点検をいたします」

 と機長のアナウンス。

「まじか!」

 数名がハモった。CAさんが平謝りしている最中に、引き返す飛行機に向かって笑顔で手を振り続ける係員たち。恐らく、状況が掴めてないのだろう。

「手振ってる場合か……」

 誰かがあきれた調子でつぶやいた。

 点検に40分ほどかかったが、「無事が確認できましたので、これより出発いたします」とアナウンス。一同一安心。

 ゆっくりと飛行機が滑走路へ向かう。窓の外では、再び係員が手を振っている。今度は多少、申し訳なさげに……。状況がわかった様子だ。すると、

「大変まことに申し訳ありません! 再び◯◯装置の不備がわかりましてん……」

 機長もちょっと慌てている。

「いや……わかりました! 今一度、3番スポットへ……」と告げられた。

「勘弁してよ~!」


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