播磨喜水(姫路店:兵庫県姫路市綿町76)。写真は白黒赤の3種を詰めた「ギフトボックスセットG」(税込み4536円)。白が一番の売れ筋という
最高級の小麦と赤穂の塩で作る手延べ麺。太さが通常の1.5倍ある
放送作家でコラムニストの山田美保子氏が楽屋の流行(はや)りモノを紹介する。今回は、小麦の風味のセレブ“素麺(そうめん)”について。
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かつて、大物タレントの夫に届くお中元やお歳暮の数と中身を理由の一つとして離婚し、大バッシングを受けたセレブ女性がいた。
彼女曰く、大量の届け物を開封するのは一苦労だし、捨てるワケにもいかないから「食べたいモノが食べられない」。たとえば少人数家庭では余ること必至の「大玉西瓜」は、しかたがないので「娘の幼稚園の集まりに持っていく」と。
実はその大玉西瓜というのは芸能界の大物が毎夏、大切な方に贈っていたモノで、それを知っていたリポーターたちは会見場で冷や汗をかいたと聞く。
差し入れ同様、送り主のセンスが先様にバレるのが季節の贈り物。件(くだん)の大玉西瓜のように、その方の代名詞になっているモノもあれば、珍しさや希少価値に重点が置かれ、毎年異なるモノが選ばれる場合もある。
芸能人や有名人がこれぞと思ってくれたお中元やお歳暮をきっかけに、今度は自らの“贈り物リスト”にそれを加えたり、お取り寄せ品として手に入れたりすることで流行りモノとなるケースは少なくない。
お中元の定番、素麺の中でも“セレブのお素麺”として、その名がジワジワ広がっているのが姫路の「播磨喜水の手延べ麺」だ。
「HARIMA KISSUI」というローマ字のロゴで、白、赤、黒の洒落た箱入り。それぞれ「至福の喉越し、小麦のアロマ」「手延べの食感を、心ゆくまで」「すっきりとした旨味、黒麦の香り」とのキャッチコピーが付いている。
元パリコレモデルで米国人とセレブ婚をしたアンミカも絶賛し、ブログにアップしている。
茹でて、氷を張った鉢で冷やし、麺つゆでいただくというシンプルな食べ方ももちろんおいしそうだが、季節の食材やオリーブオイルと和えてカッペリーニのように食しても美味。もちろん、にゅうめんにしてもいい。
セレブな奥様誌の「家庭画報」で、食空間プロデューサーの山本侑貴子先生が「おもてなし料理」として利用・紹介したことで、さらにセレブたちに広まった。
パッケージといい、ロゴといい、品質や味といい、これなら“ヤバイ妻”も文句ナシだ。
※週刊朝日 2016年7月1日号