「態度を決めかねる業者が恫喝まがいのプレッシャーをかけられたという訴えがいくつもあり、こちらに風が吹いた」(柏木市長)

 御坊市で入った亀裂は市長選だけにはとどまらない。俊樹氏を支援した地元の議員はこう言う。

「二階さんが俊樹氏を市長にし、三男を自身の後継として衆院にと狙っていた話は地元では有名。今回の大敗で計算が狂った」

 そして以前から地元でささやかれていた話が再燃している。内閣官房副長官の世耕弘成氏の参院から衆院への鞍替えだ。二階氏の衆院和歌山3区は、世耕氏の祖父、元経済企画庁長官の世耕弘一氏、伯父の元自治大臣の世耕政隆氏の支援者も多くいる土地柄だ。

「うちの陣営には世耕氏の後援会の幹部もいる。もう二階王国は終わりを告げようとしているんじゃないのか」(前出・柏木市長の後援者)

 弱り目に祟り目のようで……。

週刊朝日  2016年6月10日号