“舌”好調のトランプ氏 (c)朝日新聞社
“舌”好調のトランプ氏 (c)朝日新聞社

 あの“お騒がせ男”が、今度は日本に噛みついてきた。米大統領選の共和党候補者指名争いで目下のところ優位に立つ実業家ドナルド・トランプ氏。その言動が波紋を呼んでいる。

 米メディア幹部との会談で「我々が攻撃されても日本は何もする必要がないのに、日本が攻撃されれば米国は全力で防衛しないといけない。これは極めて一方的な合意だ」と発言。現在、日本が約7割を負担する在日米軍の駐留経費についても「なぜ100%でないのか」と不満を漏らした。日本が負担を増額しない場合、在日米軍を“撤退”させることまで示唆したのだ。

 トランプ氏はどういうつもりなのか。元外交官の孫崎享氏がこう解説する。

「トランプ氏の発言は日米同盟への無知からきていると思われます。在日米軍は日本の防衛のためというより、米国の世界戦略のために駐留している。例えば横須賀はインド洋までカバーする第7艦隊の母港。日本が『どうぞ撤退してください』と言えば、本当に困るのは米国側です」

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