春風亭一之輔の目の前に現れた驚くべき入門志願者とは? (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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春風亭一之輔の目の前に現れた驚くべき入門志願者とは?

連載「ああ、それ私よく知ってます。」

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今週のお題は「新人」!(※イメージ)

今週のお題は「新人」!(※イメージ)

 落語家・春風亭一之輔氏が週刊朝日で連載中のコラム「ああ、それ私よく知ってます。」。今週のお題は「新人」。

*  *  *
 春先、落語界には入門志願者がたくさんやって来ます。

『新人』以前の若者が、寄席の楽屋口でお目当ての師匠が出てくるのを待っているさまは、挙動不審すぎて実に微笑ましいものです。

 私もおんなじでした。

 15年前、4月21日から7日間。新宿末廣亭の楽屋口から10メートルほど離れた、向かいのビルの社員通用口の凹みで、従業員にチラチラいぶかしげに見られながら、師匠を待ち続けていました。

 なにも7日待ち続けなくても初日に声を掛けりゃよかったんですが、根が臆病なもので、

「あー、師匠、向こうに歩いてっちゃった……明日にしよう」
「今日、機嫌悪そうだな……明日にしよう」
「あれ? 雨降ってきた。今日はやめて晴れの日にしよう」
「あらー、今日お休みか? じゃ明日にしよう」
「なんかおなか痛くなってきた……うーん、明日にしよう」
「よし、行くぞ!……(すれ違って)……通り過ぎちゃった……そうだ、明日にしよう」

 そんなこんなでようやく27日に師匠に声を掛け、弟子入りのお願いをしたのでした。

 15年経って、こんなチキン野郎にも入門志願者が来るようになりました。一昨年、初めて弟子をとったら、

「あ、この人、弟子とるのね」

 というかんじで今年の春も何人かパタパタと。ありがたく、嬉しいことですが、悩ましくもあります。


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